漫画『賭博黙示録 カイジ』とは?
自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司(いとう・かいじ)。そのカイジが多額の借金を抱えたことをきっかけに「帝愛グループ」をはじめとする黒幕との戦いに挑んでいく大人気漫画。命がけのギャンブルを通じて、勝負師としての才能を発揮するカイジだが、その運命は果たして・・・。
(作者:福本伸行講談社『週刊ヤングマガジン』で1996年11月号~1999年36号まで連載された作品)
崖っぷちに立っても、"使ってはいけないカード"がある
ビジネスをするうえで、「オンリー1」になることはとても大事なことです。「オンリー1」にならずとも、「それをできる人が少ない」というジャンルの仕事をすれば、それだけで希少価値が上がり、評価してもらえます。
ただ、だからといって、「一線」を超えてしまってはいけません。
たとえば、女性が、水商売・風俗・アダルト商品で稼ごうと思えば、別の苦労はあるにしても、一般的な仕事よりは圧倒的に"簡単"に稼げるでしょう。同種の仕事をやろうとする人がそれほど多くないので、その仕事を選んだ時点で「レア人材」になります。
とはいえ、その仕事が、自分の中に設定した越えてはいけない一線の向こう側にあるとしたら、やるべきではありません。
水商売だからやってはいけない、ではありません。その仕事に対して誇りを持っているのであれば、まったく問題ありません。ただ、自分の中で「一線を越えている」としたら、自分の心に背いているとしたら、それは手をつけてはいけない職業なのです。
一部の職業に限らず、一般的な「営業」「経理」などにも当てはまります。この仕事をすれば、お金がもらえるからという理由で、絶対にやりたくない職種に就いたり、大嫌いな会社に勤務したりするのも、じつは同じことなのです。
「それをやれば稼げるのはわかる。そして、それをやると一線を越えてしまうのもわかる。でも、それをやるのが今は一番簡単だから、そうしよう」
こう考えて、多くの人が一線を越えていきます。
その「一線」は、自分の人生が苦しくなればなるほど、魅力的な即効薬に見えてしまいます。そこに逃げれば、当座はしのげます。しかし、当座をしのいだ後に、再び「線」を超えて戻ってくることはかなり難しいことです。
どんなに魅力的に見えても、そこは最後の最後まで守らなければいけないラインなのです。
普遍的、本質的な願望を捨てることで人生が開ける
これからの時代、人と同じことをやっていても、生きていかれません。人生を変えるためには、「今までと違う考え方」や「今までと違う行動」をしなければいけません。
人と同じことをしていれば、なんとなく安心感があります。逆に人と違うことをすると、目立ち、賛同してもらえず、非難の対象になることがあります。
これまでは、社会が画一的で、個々人の考え方にもそれほど大きな差はありませんでした。そのため、少なくとも自分の身の回りだけで考えれば「みんなと一緒」ということができたかもしれません。
でもこれからは違います。人々の価値観は、ますます多様化していきます。その中で「みんなと一緒でいたい」と思うと、それは単なる八方美人で、結局は誰からも賛同してもらえなくなるはずです。
「みんなと一緒」の商品は、もはや何の特徴もなく、何の個性もありません。そのような商品は、コモディティに成り下がり、安く買いたたかれてしまうでしょう。
これから必要なのは、「みんなと一緒」ではなく、「自分だけ違う」です。これはいろいろな場面で語られています。「そんなことはわかってる」と感じた方も多いと思います。
ですが、耳にタコができるくらい言われていることが、なお言われ続けているのは、これだけ言われているのに相変わらず「みんなと一緒」ということです。
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