最終回】人生

重度自閉症の作家・東田直樹さんが一年以上にわたって執筆されてきたこの連載が、単行本『跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること』になりました。書き下ろしエッセイも多数収録されているので、ぜひご覧ください。
cakes最後の記事となる今回は「人生」について。東田さんらしい凛とした姿勢に、胸がすくようなエッセイです。

 人生とは、長い旅のようだという人がいますが、旅というよりは、ひとつの物語だという気がします。僕が作家だから、そんなふうに感じるのかもしれません。

 どの物語にも、必ず終わりがあります。それが悲劇で終わるのか、それとも幸せな結末を迎えるのかは、作者以外誰にもわかりません。

 物語のラストをつくるために、作者はさまざまな伏線を用意します。いわゆる山あり谷ありの状況を設定するわけです。ドラマチックなストーリーにしなければ、読者は感動してくれないからです。そして、起こったできごとは、主人公にとって、全て必要だったと結論づけます。
 いわば、そう思ってもらえるように、読者は作者に誘導されているわけです。

 忘れてはいけないのが、実際の人生に、作者はいないということです。

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この連載について

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跳びはねる思考—22歳の自閉症作家が見た世界

東田直樹

「僕は、まるで壊れたロボットの中にいて、操縦に困っている人のようなのです。」 会話ができないもどかしさや意に沿わない行動をする身体を抱え、だからこそ、一語一語を大切につづってきた重度自閉症の作家・東田直樹。 小学生の頃から絵本...もっと読む

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コメント

sirabyousi 人生が物語だとして、僕は長編小説ではなく、単純明快な詩を描きたい。 3年以上前 replyretweetfavorite

aratakeshouji 読み応えがあります! 最終回なんですね。 http://t.co/SI2jjysNaw 3年以上前 replyretweetfavorite

minougun 「無駄なことさえ意味がある、という考え方が存在するのも知っていますが、僕自身は、起こったできごと全部を肯定的にとらえることはできません。」 3年以上前 replyretweetfavorite

korurie うん、うん。 3年以上前 replyretweetfavorite