蛭子能収
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第3回】僕が葬式に行かない理由
数多くのテレビ番組に引っ張りだこ、その姿を見ない日はないんじゃないかとさえ思える、新しき「視聴率男」、蛭子能収さん。小さな頃から「分相応」的なものに自分らしさを感じ、「他人に害を与えない」ことを一番大事に考えてきたと言います。友達だって少ないかもしれないけれど、それは別に悪いことでもないと思う、と。この連載では8月に発売された新書『ひとりぼっちを笑うな』から、エッセンスを抽出してお届けいたします。さあ、「蛭子流・内向的な人間のための幸福論」をお楽しみください。
葬式が〝喜劇〟に見えてしまう
病気や老衰、交通事故などで誰かがお亡くなりになれば、よほどのことがない限り葬式が行われます。でも僕、ほとんど行かないんです。いや、まったくと言っていいほど、意識的に葬式には行かないようにしています。
なぜなら、理由は単純で〝行きたくない〟から。一社会人として、ちょっと常識に欠けた行動なのかもしれないとは自覚をしていますよ。でも、どうしてもあの席には足を運びたくありません(あえてバカ正直に申告するならば、葬式もですが、結婚式にも興味がないのが僕)。でも実際のところ、葬式に積極的に行きたい人なんて、本当はいないんじゃないのかな? という見方をしています。
もちろん、そんな僕にだってお亡くなりになって悲しい人はいます。でも、両手で数えるような数はいません。この人がこの世からいなくなって二度と会えない状況になったら、本当に悲しいだろうな……って思っている人は、正直なところ2、3人しかいないんじゃないかな。それは僕に限った話ではなく、みなさんも本音としてはそんな感じじゃないですか? というのが僕の本音です。
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この連載について
蛭子能収
小さな頃から「分相応」的なものに自分らしさを感じ、「他人に害を与えない」ことを一番大事に考えてきた。友達だって少ないかもしれないけれど、別に悪いことでもないと思う。蛭子流・内向的な人間のための幸福論。
著者プロフィール
1947年10月21日生まれ。長崎商業高校卒業後、看板店、ちりがみ交換、ダスキン配達などの職業を経て、33歳で漫画家に。俳優、タレントとしても活躍中。おもな著作に『ひとりぼっちを笑うな』(角川新書)、『芸能界 蛭子目線』(竹書房)、『蛭子能収のゆるゆる人生相談』(光文社)、『蛭子能収コレクション』(マガジン・ファイブ、全21冊のうち7冊発売中)などがある。O型、てんびん座。