第5回】修羅場の極意

怒らず、焦らず、迷わず、生きる――。「20年間無敗」の伝説をもつ著者の強さの源泉となっている「揺れない心」。絶賛発売中の『揺れない心 本当の強さを身につける作法』では、勝負哲学の鍵を握る「平常心」を軸に、「不安」「怒り」「焦り」「落ち込み」をなくす心と行動の作法が、48に分けて解説されています。本連載では、そのエッセンスをご紹介。最終回となる今回は修羅場を経験したからこそ身に着けた作法をご紹介。


 こんな危ない橋を渡る勝負を繰り返し、私が勝てば勝つほど、私のことを恨む人間や組織の数は増していった。身から出た錆とはいえ、そのことが新しい修羅場をさらに招いた。だが、修羅場を重ねることで、修羅場にあったときはどう動くべきか、その最善の対処というものもわかってきた。

 たとえば、現実離れした話だが、あなたがもしヤクザに拉致され、私と同じように土中に埋められたらどうするだろうか。

 私が土中に埋められたときは、恐怖を感じるというより、自分はどうなるんだろうという妙に冷静な気分が支配していたことを覚えている。もう1人の自分が私から抜け出して、上から私自身を見降ろしているような気分であった。

 そこで感じたのは、「顔まで埋められなくてよかった」「ピストルでなく水中銃でまだよかった」といったことだった。そう思うだけで気持ちにちょっとした余裕が生まれた。わずかなスキやチャンスが現れれば逃すまいという冷静な計算もできた。

 人は修羅場にあるとき、それを〝最悪の状態〟としてとらえる。

 だが、実際はそれより悪い状態だってありうるのだ。仮にいまの修羅場を7とすると、10というレベルの修羅場もある。そう考えると、「10の修羅場でなくてまだよかった」と思え、いま起きている修羅場に対して冷静な〝間合い〟をとることができるのだ。

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この連載について

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揺れない心 本当の強さを身につける作法

桜井章一

「20年間無敗」の伝説をもつ著者の強さの秘密はどこにあるのか?  勝負哲学の鍵を握る「平常心」を軸に、「不安」「怒り」「焦り」「落ち込み」をなくす心と行動の作法を48に分類して解説する。

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