恋の数だけハッピーエンドがある

不倫」だってロマンス! ハーレクインのなかの“不倫もの“

男女の物語は「出会って結ばれる」だけではありません。ハーレクインの作品には離婚、代理出産、シングルマザーなど、現代の世情を反映させたリアルなエピソードも盛り込まれています。今回ご紹介する作品は、夫に離婚を切り出された直後、夫の会社の社長から「運命の人だ」と一目惚れされる若き妻のお話。ヒロインの心が複雑に揺れ動きます。

【ハーレクイン豆知識:ハーレクインと不倫】

日本の小説には不倫の愛がたびたび描かれますが、ハーレクインの世界で不倫は絶対に御法度。既婚者のヒーロー/ヒロインが道ならぬ恋に落ちてしまうときは、その配偶者は借金まみれの暴力夫とか、玉の輿狙いの強欲妻だったりして、あくまで当て馬扱い。そんな西洋の結婚に対する倫理観が垣間見えるのも、ハーレクインならではの楽しみ方です。

【作品紹介】

『結婚コンプレックス』

結婚して以来、ジェシカに幸福なときはなかった。 夫にはいつも女性の影があったし、愛された覚えもない。 冷えきった結婚生活にもかかわらず、ジェシカが別れなかったのは、 ひとえに、最愛のひとり娘ペニーのため。 だが会社主催のパーティに行く車中で、夫は突然、 離婚したいと言い出した。新しい愛人と結婚するために……。 打ちのめされ、蒼白になってパーティ会場にたたずむジェシカのもとへ、長身の魅力的な男性が近づいてきた。 夫の勤める会社の社長マシュー・シンクレアだった。 彼は熱く彼女を見つめると、“やっと出会えた運命の人”と言ったのだ。


うかつだった。アンドリューの愛想のよさを見れば、マシューが誰なのか見当がついてもよかったのだ。

「社長はジョン・シンクレアとおっしゃるんじゃないの?」

ジェシカは夫を見上げた。 返事をしたのはマシューだった。

「僕も父もジョンなので、ミドルネームのマシューを使っているんだ」

この時になって初めて、マシューにはあらがいがたい権威といったものが備わっているのにジェシカは気がついた。世界中を股にかけて取り引きをしているシンクレア社、その富裕なオーナーの備えるべきものを目の前の男性はすべて備えている。

「奥さんにダンスを申しこんだんだ」

マシューはしばらく間をおいてつけ足した。

「君に異存がなければだが」

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恋の数だけハッピーエンドがある

ハーレクイン・ロマンス

数々の恋愛小説を世に送り出し、女性たちに癒やしを届けてきたハーレクイン・ロマンス。なんと、これまでに出した全ての小説は必ずハッピーエンドを迎えるのだとか。今回はそんなハーレクインの日本上陸35周年を記念して、人気の35作品の見どころを...もっと読む

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