失敗すればいいのにと思われる人
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
bar bossa開店当初、18年前のことなのですが、とにかくお店の認知度を上げようと、色んな業種の人が集まるパーティのようなところに顔を出して、名刺を渡して「よろしくお願いします」と頭を下げることをやっていた時期がありました。
そしてそんなあるパーティ会場でのこと、知人が「林さん、○○っていう有名なプロデューサーがいるから紹介するよ」と言われたので、その方のところまで行って、名刺を渡して「渋谷でボサノヴァとワインのバーをやっています」と頭を下げました。
するとその某有名プロデューサーは片手で僕の名刺を手にとって、そして「ふーん……」という感じでおもいっきりスルーしたんです。
普通は「へえ、渋谷ですか。ボサノヴァはライブはやってるんですか?」とか一応、話くらいはあわせてくれるのに、全く興味を示さずに僕の存在は抹殺されてしまいました。
後になって、「いやいや。僕みたいなわけわかんない人からしょっちゅう挨拶されてる人だからいちいちリアクションなんて返せないんだろうなあ」とか「まあこれは冷静に考えてbar bossaがまだ有名じゃないからなんだよな。『あ、bar bossaさんですか。知ってます。一度行ってみたいなと思ってたんです』って言われるくらいにならなきゃいけないって神様が言ってるんだよな」とか思うことにしようと自分で考えたのですが、でもやっぱりその某プロデューサーのことが頭から離れません。
そしてそのプロデューサーが何か新しいことを始めたということを知ると「あの人、今度こそ失敗しないかな」と本当に醜い期待をするようになってしまいました。
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