2013年度版]神に誓ってガチですよ!
出版人の生き残り方「雑誌と書籍の現在」篇

ライターの尾谷幸憲さんが、出版不況が騒がれる中、そのサバイバルについて論じます。まずは「雑誌と書籍の現在」篇です。雑誌と書籍をめぐる現状はどのようになっているのか!? そして、次回は「電子書籍と出版社の未来」篇です!

 出版業界のみなさーん、生きてますかーっ!?  どうも、売文屋の尾谷です。

 さて、今回、私がケイクスにやってきたのは他でもありません。ここ数年、「出版業界がヤバイ」「厳しい」「もうダメだ」「あうぅぅぅ」って話をよく聞くじゃないですか。でも実際のところはどうなんでしょう? いまの出版業界はどれくらいヤバイんでしょう? そして出版人たちはどのようなサバイバルを強いられているのでしょう? データや数字には表れないナマの声をぶっこみつつ、出版人の今後について考えてみるのが本稿の要旨であります。

 しかしながら、筆者ひとりの取材能力では限界がありますので、今回、事情通の方をゲストにお迎えすることにしました。筆者の先輩ライターであるA氏です。A氏は業界歴20数年という大ベテランでして、各編集部&各業界にコネクションをお持ちの方です。

 彼の情報と筆者の持つ情報をかけあわせれば、おぼろげながら出版業界の現状と未来が見えてくるのではないか? そんな甘い期待を抱きつつ、以下、対談形式にてお送りしたいと思います。それではどうぞ!

休刊ラッシュで廃業寸前!?

尾谷「いやー、激動ですな!」

A氏「激動だよ、本当に!」

尾谷「で、その激動の出版業界についてこれから語っていこうと思うんですが、まずどっからいきますか?」

A氏「やっぱり雑誌だろ」

尾谷「実はですね、2012年のこの秋、様々な雑誌が休刊しまくってるんですよ。尾谷が知っているところでいうと、ライト層向けビジネス誌『CIRCUS』(KKベストセラーズ)。実話アウトロー系の『漫画実話ナックルズ』(ミリオン出版)と『実話マッドマックス』(コアマガジン)、そして『実話マッドマックス』の後続誌として11月に創刊された『実話レイジ』。漫画誌だと『ヤングエース増刊アルティマエース』(角川書店)と『電撃大王ジェネシス』(アスキー・メディアワークス)。音楽誌ではビジュアル系ファンに人気だった『FOOL‘S MATE』(フールズメイト)。モード誌だと『VOGUE HOMMES JAPAN』(コンデナスト・ジャパン)。あと料理系の『男子食堂』(KKベストセラーズ)なんてところが休刊してます」

A氏「あと何誌か年内&年明けに某誌が終わるって話を聞いてるけど、未確定情報なのでここではオフレコにしておこう」

尾谷「で、どうなんですか、この状況は?」

A氏「どうもこうもねえよ! この雑誌不況のせいで、仕事がなくなったライターやらカメラマンやら、周囲にどんどん増えてるよ。オレなんかまだ独身だからいいんだけど、これで嫁と子供がいる人とかどうなるんだよ? もう、すべて民主が悪い!」

尾谷「ネット民みたいなこと言わないでください」

A氏「(無視しながら)そもそもさ、ライターとかフリーの編集者なんてのは、雑誌でメシを食ってる人が多いわけだよ。その雑誌がなくなっていくというのは商売上がったりって話になる」

尾谷「そうでなくても3・11以降の紙不足を理由に、多くの雑誌でページの削減が行われて以降、そのままの状態ですからね。いままで5ページでやっていたものを、2ページに収めなくてはいけない。そのぶんギャラも下がります」

A氏「そして先の休刊騒ぎだ。活動の場はどんどん少なくなっている。おまけにネットの仕事はべらぼうにギャラが安い。そういうわけで、いま儲からない職業ナンバーワンはフリーランスで書いたり撮ったりしてる人間だ!」

尾谷「いや、大変なのはフリーランスだけじゃないですよ。社員さんもいろいろあるみたいで…」

A氏「おまえナニが言いたいんだ?」

尾谷「いや、まあ、その……。給料が下がったとか、給料上がらないとか……」

A氏「このご時勢、そんなのどの企業でも当てはまる話だろ。おまえ、もっと決定的なこと知ってるだろ?」

尾谷「いや、あの、その、あぅぅぅぅぅぅ……」

A氏「もう! おまえが言わないならオレが言ってやる! 実はここ最近の休刊騒ぎで、いろんな出版社の社員編集が大量離職している。編集部がまるごといなくなってるような例もある」

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

ケイクス

この連載について

ケイクスカルチャー

尾谷幸憲

関連記事

関連キーワード