ほぼ日」はディズニーになれるか。

東京糸井重里事務所のCFO・篠田真貴子さんに、「ほぼ日」のクリエイティブのひみつを聞いていくシリーズ連載。最終回は、篠田さんが持つある「野望」についてのお話です。糸井重里さんがいなくなった後の「ほぼ日」はどうなるのか。その問題について考えざるを得なかった篠田さんは、世界でまだだれも挑戦していなかった課題を見つけました。

篠田真貴子(以下、篠田) 前回お話した「クリエイティブの3つの輪」の図、これって糸井重里事務所だからワークするという、限定的な話じゃないと思っているんです。

 多くの会社でこういうかたちの仕事をする場面はあるはず。消費者と直接かかわる仕事をして価値を生むという、普遍的なところまで汎用性がある話だと思ってもらえるといいなあ、と。

— たしかに、世の中にあるヒット商品やコンテンツは、結果的にこういうやりかたでつくられていることはけっこうあると思います。ただ、それを、組織論として考えた人があまりいなかったんじゃないでしょうか。

篠田 そうなんです! みんな、個に寄せて考えてしまうんですよ。制作者のクリエイティビティとか、天才マーケターがいたとか。話としてはわかりやすくてキャッチーなので、そうしたい気持ちもわかりますけどね。その問題の一端は、ほぼ日に来るまでの私みたいな、ゴリゴリのビジネスの世界で仕事をしている人たちに、クリエイティブへの理解がまったくないことなんですよ。

— はい。

篠田 ウェブの世界でもテクノロジーが好きすぎる人は、この3つの輪が見えていないことがあると思います。本当はウェブってすごくBtoCなんですよね。だから消費者向けのビジネスと似ているところがたくさんある。でもテクノロジー発想でウェブサービスをつくる人は、「動機」が技術を発展させるところに寄っていて、「実行」だけで全部突破できると思っているふしがある。

— 今まではウェブがインフラ整備の段階だったからそれでも成り立っていたと思うんですけど、これからはそうはいかないですよね。

篠田 事業家や投資家などこれまでクリエイティブと縁遠かった人たちが、こういったロジックを私よりももっと深く理解して、ビジネスになるところまで進化させてくれたらいいな、なんて思ってるんです。クリエイティブというものをつぶさずにね。

— なるほど。そういったことを考えていらっしゃるんですね。

クリエイティブだって、一大産業になる

篠田 1年半くらい前から、じぶんのミッションはこれまでの環境を整えるのではなく、今後の糸井重里事務所に向けたものに変わってきていると思っています。

— 今後目指しているのはどのようなことなんですか。

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ほぼ日」のひみつ—篠田真貴子インタビュー

篠田真貴子

糸井重里さんの右腕として、東京糸井重里事務所のCFOを務める篠田真貴子さん。このシリーズではcakes代表の加藤が、篠田さんに「ほぼ日」のクリエイティブのひみつを聞いていきます。

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コメント

cuve_kuniko これはとてもよい記事 https://t.co/LFNd8BEViB 6ヶ月前 replyretweetfavorite

1q_goukaku @1q_goukaku https://t.co/dxYcVWWeZ6 https://t.co/q42vc0DYlW 6ヶ月前 replyretweetfavorite

Reshicax 何年か前から上場したいて言ってたもんね>ほぼ日 https://t.co/GSk09ARBH7 https://t.co/refakusndz 6ヶ月前 replyretweetfavorite

u_sgy 今までと違うロジックのものさしを当てれば高い評価ができるクリエイティブ事業のプラットフォームをつくる話 10ヶ月前 replyretweetfavorite