辻野晃一郎
地球単位の発想力と闘争心をもて
ソニーとグーグルで活躍した著者が指摘する「個の時代に必要な六つの素養」。今回はそのなかから二つを取り上げます。
「グローバル」と「インターナショナル」の違いは何か? 世界を相手に正々堂々と渡り合っていくための健全な「戦う勇気」とは――。「日本」という枠から解放され、世界で活躍するために必要な心のあり方です。
PHPビジネス新書『成功体験はいらない』より、一部を公開します。
地球とは文字どおり「球」である
前回述べた「コンセンサスを疑う力」に続き、二つ目の素養は「地球単位で発想する力」である。地球単位=グローバル。このグローバルというキーワードは、いままで何度も述べてきた。
日本人はこのグローバルという言葉を、国際的(インターナショナル)という意味で使いがちだ。だが、グローバルとは文字どおり「globe」(球)のことであり、あくまで「地球」という意味である。いわば、世界地図ではなく、宇宙空間に浮かんだ地球を丸ごと俯瞰するような視点で世界をイメージできるか、ということだ。
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この連載について
辻野晃一郎
グーグル、アップル、アマゾン。圧倒的な意思決定のスピードはどこから生まれてくるのか? ソニーを経てグーグル日本法人社長を務めた著者は、「しがらみを捨てると世界の変化が見える」と指摘します。 新しいビジネスルールの見取り図と、そこで生き...もっと読む
著者プロフィール
(「辻」は一点しんにょう※OSによって表示が異なります)
1957年福岡県生まれ。アレックス㈱代表取締役社長兼CEO、元グーグル日本法人代表取締役社長。慶應義塾大学大学院工学研究科修了、カリフォルニア工科大学大学院電気工学科修了。ソニーでVAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオなどのカンパニープレジデントを歴任したのち、2006年3月に退社。翌年グーグルに入社し、その後、日本法人社長に就任。10年4月に退社後、アレックスを創業。グローバルスケールの人材育成や日本発のビジネス支援を続ける。また11年6月よりKLab㈱社外取締役、12年4月より早稲田大学商学学術院客員教授、6月より㈱AOI Pro.社外取締役、13年10月よりIT総合戦略本部規制制度改革分科会構成員も務める。
著書に『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(新潮社)がある。