青鬼

第9回 幽鬼 ―勇気―

杏奈の肩に見えた「青白い手」に、思わず悲鳴をあげてしまったシュン。案の定、卓郎たちに見つかってしまう。そして「青白い手」の正体は――?

実写映画も公開中の、人気ホラーゲーム「青鬼」。人気の火付け役となった小説版『青鬼』の一部を公開します。

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「おい、誰だ?」
 シュンの悲鳴を耳にして、卓郎たちがやって来る。
 逃げようと思っても、下半身がいうことを聞いてくれない。シュンは雑草の上に尻餅をついたまま、その場から一歩も動けずにいた。
 周囲を見回したが、杏奈の姿はどこにも見当たらない。卓郎たちがやって来る前に、どこかへ素早く身を隠したようだ。
「なんだ、おまえか。おい。こんなところで、なにやってるんだ?」
 卓郎が刺すような視線を放つ。蛇に睨まれた蛙の思いが痛いほどわかった。恐怖に全身がすくみ、脂汗ばかりがだらだらと流れ落ちる。
「あ、あの……」
 慌てて言い訳の言葉を探したが、ただ焦るばかりでまともに声も出ない。
「聞こえなかったか? 俺んちの庭に勝手に入り込んで、なにをやってるのかって訊いてるんだよ」
「ああ、すいません。ここは卓郎君のお父様の所有地でしたか。てっきり、空き家だとばかり思っていたものですから」
 シュンより先に答えたのは、彼を驚かした張本人—屋敷の裏でなにやらこそこそと動き回っていたひろしだった。
「言い訳はいい。なにをやってたか正直に答えてみろよ」
「昆虫採集です」

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青鬼

noprops /黒田研二 /鈴羅木かりん

個人制作のフリーゲームでありながら、20万部突破の小説化、AKB48入山杏奈さん主演の実写映画化と、とどまるところを知らない人気を博している「青鬼」。 近日発売が予定されている小説版『青鬼3(仮)』に先立ち、人気の火付け役となった小...もっと読む

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