先週まで話してきた a/an、あるいは the といった冠詞が果たす役割は、対象を「しぼり込む」という部分にその本質があります。例えば the が果たしてくれるのは、「オレもお前も知っている『あれ』」という、対象のしぼり込みです。a だってそうなんです。「どれでもいからひとつ」というしぼり込みです。このように「しぼり込み」をしてくれる単語は Determinator (限定詞)と呼ばれ、他にもいくつかあります。次に続く単語をdetermine (限定)するのが、その役割なんです。今日は、これら「しぼり込み」をしてくれる単語を解説しながら、Determinator の役割を理解していきたいと思います。
「しぼり込み」について考えてみる前に、まず、特に何のしぼり込みもされていない文章を例に出してみましょう。例えば、“There are pens” と言ったとします。この文章、「ペンが複数ある」という以外にはなにも分からない文章です。どこにあるのかも、誰のものなのかも、どんな色なのかも分かりません。
例えば、“These pens write well.” とか、“They are my father’s pens.” なんていうと、「これらのペン」、「お父さんのペン」というふうに、対象が一気に限定されるのです。つまり、these とか my father’s と言う言葉が、対象を一気にしぼり込んでくれているわけです。このように対象を限定するのが、Determinator の役割です。