山内宏泰
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フィオナ・タン まなざしの詩学」——映像によせて
恵比寿・東京都写真美術館で開催中の「フィオナ・タン まなざしの詩学」。インドネシア生まれオーストラリア育ちの彼女の作品は、どこかノスタルジーな雰囲気を帯びています。映像も写真の一種という捉え方をしながらも、写真を超えて写真的な表現を行おうとする彼女の試行錯誤の軌跡を見つめるうちに、時間を忘れてしまう展覧会です。
東京都写真美術館で、「フィオナ・タン まなざしの詩学」と題する展覧会が始まっています。フィオナ・タンはインドネシア生まれで、現在はアムステルダムを拠点に活動するアーティスト。写真や映像を用いた作品で知られておりまして、今回は映像による代表作や新作がいくつも展示されています。
写真美術館と銘打つ場なのに、映像作品が中心なのは不思議ですか? そのあたりは、けっこう柔軟に考えているようですよ。この写真美術館では、さまざまなメディアを使ってイメージを平面に落とし込んでいるものを、等しく映像とみなし、それら全般を扱うことになっています。その考えに基づけば、写真も映像表現の一ジャンル。静止した映像だということになります。
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この連載について
山内宏泰
世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む
著者プロフィール
ライター。美術、写真、文芸その他について執筆。著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)『写真のフクシュウ 森山大道の言葉』(パイインターナショナル)『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)『写真のプロフェッショナル』(パイ インターナショナル)『G12 トーキョートップギャラリー』(東京地図出版)『彼女たち』(ぺりかん社)など。東京・代官山で毎月第一金曜日、写真について語るイベント「写真を読む夜」を開催中。東京・原宿のスペースvacantを中心に、日本写真を捉え直す「provoke project」開催中。
公式サイト:http://yamauchihiroyasu.jp/