ヤリチンには2種類いる?
二村ヒトシ(以下、二村) 深澤さんから、僕には「草食男子」が見えていないというご指摘をいただきましたが、ヤリチンの中にも僕が理解できない人というのがいて。
そもそも僕はヤリチン男性には「自分の父親に勝とうとしている男性的ヤリチン」と「母親に愛されたいと願っている女性的ヤリチン男性」の2種類がいると思っているんです。でも一度、得体の知れないヤリチンに会ったことがあって、すごくモヤモヤしたんです。漫画家の倉田真由美さんの旦那さんである、叶井俊太郎さん(※)なんですけど。
※叶井俊太郎:映画宣伝プロデューサー、コラムニスト。結婚経験4回&女性経験600人以上という性遍歴を持つ。
深澤真紀(以下、深澤) くらたま(倉田真由美)は私の長年の友人ですけど、たしかに叶井さんほど屈託のないヤリチンもなかなかいないかもしれないですね(笑)。
二村 「この人は父親に打ち勝ちたいがゆえの漁色家だったのか、それとも僕のようにマザコンをこじらせたヤリチンなのか、どっちなんだろう」と不思議に思ったんですよね。
深澤 うーん。二村さんの「親との葛藤が人間の性質を決める」理論が有効じゃない人っているんですよ。
二村さんは、自分の恋愛理論が誰にでも有効じゃないことを知った方がいい。そのためにはまず自分で自分の“父の問題”(※)を解決したほうがいいですよ。
私も親の問題を抱えているんですが、だめなものからは逃げようって思っているのでもう放置しています。ただ、二村さんは親との問題に立ち向かってはいるけど、かえってがんじがらめになっているというか。
※父の問題:二村さんのご両親は二村さんが生まれて3年後に離婚し、父親はすぐに家を出て行ったため、以降二村さんは母をはじめとした女性に囲まれて育った。(参考記事)
二村 深澤さんは親御さんとの関係の問題を今後も解決しようとは思わないんですか?
深澤 解決したくないし、そもそも解決できるとも思わないです。そしてみんなが私のように、親との関係を抱えているとも思っていません。
二村さんは「みんな自分が親との葛藤を抱えている」と思い込むから、自分とは違うヤリチンのことを理解できないんじゃないのかも。
二村 うーん、そうなんですかね……。
「なかよし」に持ち込みをする漫画家・くらたま
深澤 叶井さんは「得体の知れないヤリチン」じゃなくて、小学生みたいな人なのかもしれません。世の中には二村さんが思っているよりも、男でも女でもシンプルな人っているんです。
叶井さんの話がでましたけど、奥さんのくらたま(倉田真由美)もけっこうシンプルなとこがある人なんですよ。
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