元気を安定供給するPB商品
「元気の押し売り」と有吉に命名されたのがベッキーならば、「元気の安定供給」が小島瑠璃子ということになるのだろう。八百屋の店頭で「お客さん寄ってってよ」と声を張り上げるのが前者ならば、コンビニのPB(プライベートブランド)商品のように、いつ行ってもそれなりの味が程よい価格で約束されているのが後者だ。この1年でやたらとバラエティで見かけるようになった小島瑠璃子は、自分の目指すべきところについて「目標は井森美幸さんですね」と答え、「『こうなりたいけど、なれない』という理想、憧れます」と付け加えてみせた。井森美幸にしろ森口博子にしろ島崎和歌子にしろ、長年の活動で「こうなりたいけど、なれない」を築き上げたバラドルたちを因数分解していくと「あんなに出ているけど、なんで」の積み重ねであったはず。となれば、この小島瑠璃子の現在の活躍っぷりは、自身の目標に正しく向かっていると言える。今、「あんなに出ているけど、なんで」という印象を持たれている筆頭は、間違いなく彼女だ。
「こじるり」という積極的妥協
ドラマの初回視聴率が10%を割れば翌日すぐにニュース記事としてネガティブにアップされてしまう時代、「夫のいぬ間に男を連れ込むようなイメージではなかったから」と言われては再起不能になる時代、こうして視聴者に厳しく管轄される時代に、様々なステップを経ながら「なんとなく出てる」に行き着かせるのはたいそう難しい。大手事務所に所属する小島瑠璃子を、剛力彩芽が散々言われてきたように「事務所のゴリ推しっしょ」と片付けてしまうこともできるのだろうが、この人が得た「なんとなく出てる」は、もうちょっと複雑な調合で成り立っていると思う。PBブランドのお菓子って、突出して美味しくはないけれど、まぁこれで、という手の伸ばさせ方を狙う。買わなくてもいいんだけど買っちゃう、という積極的妥協だ。
フラれた女子をフォローしない板野パイセン
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