今の時代に必要とされる教育って?

今ある沢山の職業は、ホンの10年、20年前には存在していませんでした。プログラマ、WEBデザイナー、コーチング、カウンセラーなどなど。そしてこれからも、今はない職業が生まれていきます。僕らが子供たちのためにできる未来の準備、それはいったいなんなのだろう?

 僕の手元に、自分自身の幼稚園の卒園アルバムがある。その最後の数ページは名簿になっていて、園児全員の氏名住所、そしてそのすぐ横には「将来の夢」とが記載されている。幼稚園児の描く将来の夢だから、なかなか微笑ましい。「飛行機の運転手」「バスの運転手」「蒸気機関車の運転手」「タクシーの運転手」「オートバイの運転手」……なんだか乗り物の運転手が多い。それから警察官。大工さん。仮面ライダーになりたい子も多い。

 将来の夢にはなりたい理由も書いてあるのだ。男の子はなかなかいい味を出してる。たとえば乗り物の運転手になりたい子たちの理由がふるっていて「世界中行けるから」「ぶらぶらできるから」「給料が倍になるから」……などなどと並んでいる。いったいどこをどうすると給料が倍になるんだろう? まだ6歳なのにぶらぶたしたいのか? どこからそんなアイデアを仕入れたんだ? 現実にはサラリーマン家庭の子が多かったと思うのだが、子どもたちが大人たちの働く姿をどんなふうにイメージしていたか、うかがい知れて興味深い。なかには「うんちやさん」という強者がいるのだが、これはバキュームカーの運転手のことなのだと思いたい。

 女の子たちは「お花屋さん」「婦人警官」「ウェートレス」「スチュワーデス」「看護婦さん」「お花屋さん」「幼稚園の先生」「お母さん」といったあたりが多い。男の子のようにテレビ番組と現実の世界を混同させておらず、実際に存在する職業が並ぶのもおかしい。サリーちゃんとかプリンセスがいたっていいのに。意外なところに男女差を感じてしまう。

 僕が面白いと思ったのは、乗り物の運転手になりたい子供たちの多さだ。さまざまな乗り物を運転するという夢は、まさしく「昭和」の夢そのものじゃないだろうか? まだスマホもコンピュータもPASMOもなかったこの頃、誰しもが1日でも早くバイクや車に早く乗りたがったっけ。そして高校生や大学生になると、せっせとアルバイトをして中古のバイクや車を買った。マニュアルの車に乗り、道に詳しいことがカッコ良かった。卒園アルバムのページをめくりながら、ふと思った。今の幼児たちは、いったい何になりたいんだろうか? やっぱり乗り物の運転手? それともアプリの開発者? スマホを作る人?

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IT時代の未来〜それはユートピアかディストピアか?

松井博

現在、IT革命によって世の中の仕組みが急速に変わりつつあります。産業、政治、就労、コミュニケーション…… 影響を受けない分野はありません。未来はどうなっていくのか、こうした時代が私たちにどんな選択を迫ってくるのか、元アップル管理職の松...もっと読む

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HalW_31 これから必要なのは「主体性、創造力、そして粘り強さ」。失敗や間違いが怖くなったのっていつだっけと考えてみたら、多分中学生くらい…?…ひぃぃ!→ 4年以上前 replyretweetfavorite

ko_kishi "ちょっと時代を先取りしたエリアで働く機会を得て、気がついたこともいくつかある。これからの時代に本当の意味で必要なのは、多分次の3つしかない。" 4年以上前 replyretweetfavorite

korokoro0308 主体性、創造力、粘り強さ。まさに同意だけど、親としてどう教えていくかは悩ましい。意図せず反対に誘導してしまいそうな叱り方や教え方をしてるときもあるし… 4年以上前 replyretweetfavorite

y_yt 彼の主張を英語にしてみる。"Be Proactive"、"Inspire Yourself to be Creative"そして最後は英語に出来ないので^ ^「七転び八起き」の精神を養う…>松井博「 4年以上前 replyretweetfavorite