7月2週目の主なできごと
・中山美穂と辻仁成が離婚(7月8日)
・「W杯」ドイツが決勝へ 1対7でブラジル歴史的大敗(7月9日)
・ベネッセ、進研ゼミなど受講者情報760万件が流出(7月9日)
・“号泣”の野々村県議が辞表を提出 県議会が刑事告発(7月11日)
・氷室京介 ライブ活動休止を発表(7月13日)
久しぶりに3Dプリンタが話題になったと思ったら……
速水健朗(以下、速水) あんまり話題に上らなくなった3Dプリンターだけど、銃を作っちゃったりとか逮捕案件ばっかりで話題になってる。今回はえーと、まるだし子っていう……。
おぐらりゅうじ(以下、おぐら) 違います! ろくでなし子さん! でもそっちの方が本人の意に合ってるかもしれませんね(笑)。彼女は『デコまん アソコ整形漫画家が奇妙なアートを作った理由』というコミックエッセイを出していたりする芸術家で、今回は3Dプリンターで出力するための女性の性器のデータを頒布した容疑で逮捕されてしまいました。
速水 性器そのものではなく、出力のためのデータっていうのは新しいのかな。
おぐら クラウドファンディングサイトの「CAMPFIRE」で、「わたしの『まん中』を3Dスキャンして、世界初の夢のマンボートを作る計画に支援を!」と呼びかけて100万円を集めたというのも話題になってたんですよね。
速水 題材が「女性器」であること、本人が美人であること、そしてそれ以外に「3Dプリンター」「クラウドファンディング」なんかが登場する辺り、まさにドラが乗っている案件ってわけだね。
おぐら 時代性はもちろん、美人かどうかについても意見は分かれていますし、いくらでも下世話な見方はできるし、話題には事欠きません。都築響一さんは「こんなの、わいせつ物でもなんでもない、単なる造形物だろうに。これがダメだったら、オナホールなんて全部アウトでしょ。あまりにバカげてて、言葉にならない」とつぶやいてました。ただそういった最先端のテクノロジーや仕組みをガンガン取り入れていくっていうのは、現代美術の表現手法として面白いと思いました。
速水 警察って、そういう新しめの話題にはいっちょかみしてくるよね。ちょっと前だったら、京都府警*1案件はみんなそんな感じだった。
*1 京都府警サイバー犯罪対策課。Winny開発者の逮捕(後に無罪)やペニーオークション詐欺事件の初摘発など、インターネット犯罪に先駆的な捜査をしていることで知られる。
おぐら 当然ですけど、ネットではいろいろな議論を呼んでいますね。まずは、表現活動に対する権力の横暴であるって話。一方、彼女のことを「自称芸術家」とした警察発表をそのまま横並びで報道しているメディア各社の姿勢に対する批判も盛り上がってます。
速水 これも日本的というかひどい話だよね。俺もTwitterでケンカ売られるときに、「自称ライター」って言われたことあるけど、悔しかったしね。
おぐら ろくでなし子さんの即時釈放を求める署名運動も盛り上がってました*2。すぐに釈放されましたが。
*2 芸術家・ろくでなし子氏(五十嵐恵容疑者)の即時釈放 - change.org
速水 一方で、表現規制という部分で興味深い分断も発生してる。これは、ライターの赤木智弘が問題にしていたこと。この問題について、作家の北原みのりがアート活動を規制するなとTwitterで反論していることに疑義を呈している。
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