休憩のない努力は、成功しない
自分のミッションや役割に沿った努力は必要です。それを見つけるまでの無駄な努力も必要です。
また、過酷な試練に遭遇したとき、とことんまで考え、苦しみながら耐える「静」の努力も必要です。
でも、本当に疲れて動けなくなって、自暴自棄になって、すべてを投げ出したくなることもあります。
そんなとき、どうすればいいのでしょうか?
私も、長男の誕生と死とは別に、それ以前にもとてもつらい時期がありました。高校時代のことです。
若いときはもがき苦しむための知恵もないことから、底なしの悩みやつまずきに陥っていくものです。
そんなときは、どうすればいいのでしょうか?
もう「静」の努力すらできないときです。
私は、このような状況になったら、今までとは一転してぜひ「努力の休憩」、つまりすべてを手放すことをおすすめします。人生も努力も手放すこと、「休憩」が必要なのです。
ここでいう手放すとは、今やっている、もがいている、置かれている環境から一度離れることを言います。離れる距離、方向が遠ければ遠いほどいいと経験上思います。
「いったん追っていた夢を諦める」「会社や学校を休職する、休学する、辞める」「離婚する」「長期の旅に出る」……。まるでちゃぶ台をひっくり返すように、いったん全部をチャラにする(手放す)のです。
つまり、「耐える」ことを手放すこと。
今までのように、激流に直面しながらも耐え抜くのではなく、大きな岩陰に隠れて、
一度すべてを忘れて休憩する、というイメージでしょうか。
何事にもタイミングというものがあります。
ダメなときは、何をやってもダメです。
限界までトライして、もうダメ、これ以上やったら死ぬ……もう、息もできないと
いうところまで努力したのならば、ぜひ一度休憩して、手放してみてください。
弁護士としての活動の傍ら、写真家としても活躍中。書籍に掲載している著者が撮影した写真を掲載します。
「休憩のない努力は、成功しない」
私が勝手に作った格言です。
このように言うと、「それは無責任ではないか?」と思う人がいるかもしれませんが、そうではありません。むしろ、手放さなくてはならないちゃんとした理由があるのです。それをお話ししましょう。
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