第29回】ボーヌで起きた、もっとも悲しいこと

前回、すばらしいできばえのぶどうの様子をお伝えした、フランス・ブルゴーニュのワイン醸造家・仲田晃司さんの連載。なんと今回は、ブルゴーニュワインの中でもおなじみの地域・ボーヌでもっとも悲しい「あること」が起こってしまいました…。仲田さんの撮ったくわしい写真をまじえてお届けします。

みなさん、こんにちは。

昨日、ボーヌに住む従業員から、「今、ひょうが大量にふっている」というSMSをもらいました。
そして、今朝から、被害にあった各村の畑をいろいろと見て回りました。

6月28日17:00頃のこと。

みなさんもワインのエチケット(ラベル)でごらんになることの多いであろう地名、コート・ド・ボーヌ(Côte de Beaune)地区のポマール(Pommard)村を中心に、
ムルソー(Meursault)、ヴォルネイ(Volnay)、モンテリ(Monthelie)、ボーヌ(Beaune)、そしてニュイサンジョルジュ(Nuits-Saint-Georges)の村々などに大量のひょうがふりました。

ひょうといっても本当に大きく、なんと、みなさんが冷凍庫で作っている氷と同じくらいの大きさなのです。
なかにはゴルフボールぐらいの大きさのものもありました。
ニュイサンジョルジュはコート・ド・ボーヌに比べると比較的被害が少なくすみました。

このことは、「約2000軒の栽培者に影響が出た」と、フランスのテレビニュースでも大々的に紹介されました。
知り合いのポマールの生産者は、「2012年のひょうの被害よりもひどい状況で、畑によっては45~90%の被害だ」と言っていました。
彼は、「3年連続の減収が決まってしまった」と肩を落としていました。

……うちの畑にもひょうが降ったので、その気持ちは痛いほどよくわかります。

皮肉なもので、今、ヴォルネイ村を中心とした34か所に、ひょう対策のCanon anti-grêleというシステムを1億円以上かけて設置していたところだったのです。
なんとも残念な結果になりました。



被害の大きいポマールの畑の画像

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

ケイクス

この連載について

初回を読む
ワイン通信・ブルゴーニュの村から

仲田晃司

フランスはブルゴーニュのジュブレ・シャンベルタン村でワイナリーを経営する日本人醸造家・仲田晃司さんはじめての連載。仲田さんのワインのラベルには「天・地・人」という文字がきざまれています。2003年5月、在りし日のアンリ・ジャイエ翁より...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード