家計簿をつけているのに…
家計簿をつけているのに、全く貯金が増えない、と相談に来る人が結構います。その方に家計簿を見せてもらうと、10年以上きちんともれなくつけられていたりもします。それで家計状況がよくならないなんて……と思ってしまうほど。
でも、そうやって律儀に家計簿をつけている人ほど、明らかな欠点があります。それは、家計簿の目的が「家計簿を書く」ということになってしまっているのです。これでは書いた満足感はあっても、やりくり自体は変わりません。
自分の家計簿の欠点に気が付いたAさんの話
ここで私のもとに訪れたお客さんの実例を紹介したいと思います。
Aさんは10数年、きれいに家計簿をつけていました。夫と子供二人の生活をうまく切り盛りしたいと考えて記入し始めたそうです。
集計も、クレジットカードの支払いも、何から何まで本当にお手本のように家計簿を記入していました。でも、お金が貯まらない。給料の中で生活はできますが、貯金の余裕はありません。一体どうしてだろう。そんな悩みを持ち続けながら、家計簿を書いていたそうです。
話を聞いていると、予想どおりでした。いろいろな支出の金額を記入していてもその理由というか、何にどうしてお金を使ったかを把握していないのです。つまりは書いただけ。これではムダの見つけようもなく、家計が改善することもあり得ないのです。