先週の記事では、定冠詞 The は、「話し手と聞き手の間に共通認識がある」場合に用いられると説明しました。では、不定冠詞 a/an は、いったいどんな時に用いられるのでしょうか?
a は中1の一番最初に出てきますよね。“This is a pen.” といった具合です。そして a や an は「ひとつ」という意味だ、というようなことを習います。ペンが1本なら “This is a pen. ”そしてペンが3本なら a がつかずに“ These are 3 pens.” というわけです。単数形と複数形の区別ですね。そのうちに定冠詞 the が出てきて、これは「その」といった感じに習うわけです。“This is the pen.” なら、「これはそのペンです。」となんて具合です。
ここで、英語に対する最初の疑問が芽生えます。目の前にペンがあったら、いったい “This is a pen” というべきなのか、 それとも “This is the pen.” なのか……。また、目の前にペンが1本あったとして、なぜそんな自明なものをわざわざ “This is a pen.” などと言う必要があるのか?、これは教科書の例文なのだ……。自分にそう言い聞かせて、釈然としないままに、授業は先へ先へと進んで行きます。
a はいったい何のためにつけるのか?
では、a と the の違いって、いったいなんなのでしょう? それは a が「どれでもいいからひとつ」なのに対して、the は「特定のそれ」ということなのです。説明しましょう。