罰(バチ)

重度の自閉症を抱えながらも、社会を鋭く見つめている作家・東田直樹さんの連載です。
今回のテーマは「罰(バチ)」。普段この言葉を口にするときに、私たちはそこまで深く「罰(バチ)とは何か」ということを考えていないようにも思えます。思わず「罰が当たる」というときの人の気持ちは、東田さんにはどのように見えているのでしょうか。
心が落ち着き、そっと正されるような、今週のエッセイです。

 「鶴の恩返し」は、鶴を助けたことで、鶴がお礼に人間となり、はたを織ってくれますが、助けた人が約束をやぶったため、鶴は空に帰ってしまうという昔話です。

 日本の昔話は、正しい行いをすれば良いことが起こる、悪い事をすれば罰(バチ)が当たる、といった内容が多いと思います。
 この罰が当たるという考えには、天が人を懲らしめる、という発想があるのではないでしょうか。

 科学が進んだ現代においても、何か起きるたび、人々は昔と同じようにこの言葉を口にします。調べても因果関係など出てこないにも関わらず、罰という言葉に人々は恐れを抱き、手を合わせます。

 過ちを犯しただけでは、罰が当たったとは言わないでしょう。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

ケイクス

この連載について

初回を読む
跳びはねる思考—22歳の自閉症作家が見た世界

東田直樹

「僕は、まるで壊れたロボットの中にいて、操縦に困っている人のようなのです。」 会話ができないもどかしさや意に沿わない行動をする身体を抱え、だからこそ、一語一語を大切につづってきた重度自閉症の作家・東田直樹。 小学生の頃から絵本...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

aratakeshouji 胸を張って生きるのがいいでしょう。ヽ(*´∀`)ノ http://t.co/tiMzHMKux1 3年以上前 replyretweetfavorite

IRHTMHR 罰(ばち)| 3年以上前 replyretweetfavorite