山内宏泰
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オルセー美術館展 印象派の誕生 -描くことの自由-」—— 印象派は「反逆」だった
マネ、モネ、セザンヌにミレー……日本で高い人気を誇る巨匠の作品が集まった「オルセー美術館展 印象派の誕生 -描くことの自由-」が、東京・乃木坂にある国立新美術館で開催されています。マネの《笛を吹く少年》をはじめ、若き才能が活発に創作を展開した1860年代から80年代にかけての名品が大集結。当時の絵画の常識をぶち壊した、印象派作品の魅力をひもといていきます。
マネ、モネ、セザンヌで計27点。ほかにもミレー、コロー、ルノワール……。日本で高い人気を誇るビッグネームの作品を、よくぞこれほど大量に集めたと、すなおに感心してしまいます。東京・乃木坂にある国立新美術館ではじまった「オルセー美術館展 印象派の誕生 -描くことの自由-」です。
展名のとおり、パリのオルセー美術館から、印象派の作品を中心にして、名品をごっそり運んできて並べています。作品の制作年代でいえば、主に1860年代から80年代にかけて。フランスで印象派という潮流が生まれ、若き才能が活発に創作を展開した時代です。
会場に入ってまず目につくのは、マネの作品の数々。細密な描写というわけでもないのに、魚を描いてみごとにその存在感を出している静物画などもいいのですが、やはり目立つのはこちら。《笛を吹く少年》です。発表されたころには、相当に物議をかもしたようですよ。まあ、マネの場合は、この作品にかぎらずたびたび、美術愛好家にスキャンダラスな話題を振りまいておりました。
エドゥアール・マネ 《笛を吹く少年》1866年
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この連載について
山内宏泰
世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む
著者プロフィール
ライター。美術、写真、文芸その他について執筆。著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)『写真のフクシュウ 森山大道の言葉』(パイインターナショナル)『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)『写真のプロフェッショナル』(パイ インターナショナル)『G12 トーキョートップギャラリー』(東京地図出版)『彼女たち』(ぺりかん社)など。東京・代官山で毎月第一金曜日、写真について語るイベント「写真を読む夜」を開催中。東京・原宿のスペースvacantを中心に、日本写真を捉え直す「provoke project」開催中。
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