三四郎がいま輝いている3つの理由
バラエティ番組にひっぱりだこ。若手最注目株!
人気番組『ゴッドタン 〜The God Tongue 神の舌〜』を始め、小宮さんの「生意気キャラ」が注目を浴び『アメト——ク!』などにも出演。いまや最も注目の若手芸人です。
お笑いコンテストでも好成績!
2013年度『THE MANZAI』50組の認定漫才師に選出されたり、現在「平成26年度 漫才新人大賞」の決勝にも進出!
お互いの持ち味を活かした漫才に注目!
小宮さんの滑舌の悪さや童貞キャラ、相田さんの美声など、お互いの持ち味を活かした漫才にも定評があります。
文化祭でお笑いをやったら、人生で一番褒められた
——まずは結成の経緯から教えていただけますでしょうか。
相田周二(以下、相田) 僕ら二人は成城学園中学校からの同級生なんですが、高校時代に、文化祭の出し物として、二人で漫才をやったんです。そのとき、びっくりするくらいウケた。それを真に受けて「これはいけるんじゃないか」と。いま、冷静に考えれば知ってる友達の前だけで漫才したのでウケるのは当たり前なんですけどね。
—— コンビになろうと誘ったのはどちらからなんですか?
小宮浩信(以下、小宮) それは僕からです。当時、僕は勉強が全然できなくて、先生からも呼び出しとかしょっちゅうくらっていたんですが、文化祭で漫才をやったときに、周囲の人が凄く褒めてくれたんですね。人生でこんなに褒められたことないんじゃないかっていうぐらい。そこで快感を得て「じゃあ、お笑いやろうよ」ということになって。
相田 そうなんです。そしてその後、2人で養成所に通い始めたんです。僕らが20歳のときでしたね。
—— 養成所でのお二人はどうでしたか?
相田 この時期から2人でネタを作るようになったんですけれども、全然パッとしなくって。学校には僕ら以上におもしろい人がたくさんいて、打ちのめされました(笑)。1年間は通ったんですが、そのままフリーで活動するようになりました。そこからは試行錯誤の日々でしたねぇ……。途中、メンバーが1人増えてトリオになったりもしましたし。
—— トリオ時代のことを聞かせてください。
小宮 トリオになったのは、今の二人でのキャラとか漫才のネタにしろ、僕らにない、足りないものを補充して、より強化しようと思ったのがキッカケです。要は「人が増えたらその分強みが足し算されて、よくなるんじゃないか」と思ってたんですよね。
相田 そうそう。
小宮 でも、実はそんな単純なものではなくて、むしろマイナスになってしまい、あまりうまくいかなかったんです。
相田 そうですね。1年間ぐらいしたら、もう1人の子から「抜けたい」と言われたので、「じゃあ、また2人に戻ろうか」と今度は引き算した感じです(笑)。
偶然から生まれた「生意気キャラ」
—— そして、いま、三四郎さんがブレイクしてるのは、やはり小宮さんの先輩芸人に毒づいていく生意気キャラが、テレビ番組『ゴッドタン』や『アメト——ク!』で好評だったことがキッカケだと思うんですが、あのキャラはどうやって生まれたんですか?
小宮 よく僕は「生意気キャラ」って言われますけど、これは素なんですよ(笑)。このキャラは、極めて素に近いのでやりやすいです。普段と一緒ですから。
—— え、あれは素なんですね(笑)。
小宮 素の状態でいったら、それを周囲の人が面白がってくれたので、じゃあそのままで行こうかな、と。
相田 それまで、小宮は「生意気」と言われたことがなかったんです。むしろ、「滑舌が悪くて何を言っているのかわからない」といったところでいじられていたんです。
小宮 そうそう。
相田 だから、『ゴッドタン』の収録のときも、そのつもりで、番組の収録に向かったんです。そしたら、劇団ひとりさんや、おぎやはぎの小木さんに「お前、生意気だな」といじられるようになったんですよ。
—— じゃあ、最初はまったく「生意気」でいじられるとは、意図してなかった?
小宮 そうですね。合コンとかに行っても、ギャルとか大学生とか安直な人は、「この人、何を言ってるかわかんない」という視点で僕をいじってくるんですけど、自分のなかではそのキャラがあまりハマっているようには思わなかったです。
—— 安直……(笑)。毒舌が出ましたね。でも、小宮さん自身は「もっと違うキャラがあるんじゃないか」と、ずっと模索してた。
小宮 はい。でも、その「違うキャラ」を『ゴッドタン』で、ひとりさんやおぎやはぎさんがうまく引き出してくれたので、ありがたかったです。
緊張するとタメ口になってしまう
—— 芸人さんは上下間がかなり厳しいと伺いますけど、先輩とかに会ったときも小宮さんはそのままなんですか?
相田 そうですね。小宮は緊張してテンパると敬語じゃなくてタメ口になってしまうんですよ。
小宮 あせるとキャパオーバーになって……。芸人さんとかのフリにうまいこと言ってやろうと思うと、うまいこと言おうとするのに集中しすぎてタメ口になってしまうんです。
—— 相田さんは、そんな小宮さんを見ていてヒヤヒヤしませんか?
相田 うーん、やっぱり先輩に向かってのタメ口はヒヤヒヤしますね。結果的に劇団ひとりさんがそこを拾ってくれて、ありがたかったんですが。
—— 直接、誰かに「生意気だぞ」と怒られたことは?
小宮 ないですね。
相田 ないですね。
—— じゃあ、ちゃんとそのキャラクターが受け入れられているんですね。
相田 そう思いたいです。でも、この先、ダウンタウンさんとかとんねるずさんなどとからんだときに、それをおもしろがってくれるのかどうかは気になります(笑)。
小宮 別に僕は、最初から敬語を使わないわけではないんですよ! 緊張するとタメ口になってしまうだけなんです。
—— なるほど。
小宮 あとは、向こうからふっかけてきた場合は、対応しますし、タメ語になっちゃいます。だから、逆に店員さんとかに対してタメ口でしゃべるみたいなことはないです。昔からそういうタイプの人が一番嫌いだったので。
相田 常識は一応あるんです。あと、「こういう人だ」と慣れてもらえれば気にならないのか、一緒にライブに出ている芸人さんたちとかとは仲がよいので、人とはうまくやれていたりするんですよね。だから、あまり心配してないです。
小宮 あと、僕が生意気なことを言っても、相田が「スミマセン!」ってフォローしてくれるので(笑)。ただ、生意気キャラを貫くのも結構大変なんですよ……。
—— といいますと?
小宮 ただの生意気でおもしろくなかったら、単なる嫌なやつになっちゃいますよね。生意気キャラでやるんなら、絶対に僕自身がおもしろくないとダメ。だから、ネタをするときは人の2、3倍は緊張しますよ。
相田 意外と気苦労があるんだよね。
小宮 そうそう、生意気なりにね(笑)。
次回「僕らの漫才作りは消去法です」は、7/29更新予定です。
執筆:神田桂一、撮影:小島マサヒロ
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