ありのままの自分をさらけ出した結果は?
小林麻耶(以下、小林) 自己肯定という言葉について、ここ3年くらいずっと考えてきました。でも、自己を肯定することがどうしてもできなくて。どうすれば、ありのままの自分でいいと思えるんだろうと悩んでいました。そんなとき『嫌われる勇気』を読んで、「そうか。自己肯定ではなく、自己受容なんだ」とすごく腑に落ちたんです。
古賀史健(以下、古賀) 自己肯定というと、無理して自分を好きになるみたいな、洗脳している感じもあるんですけど、それはちょっと違うと僕も思っていて。岸見先生とこの本を作るために2年間くらい京都に先生を訪ねてお話しするなかで、自己受容という言葉を教えていただき、小林さんと同じくハッとしました。二つは全然違うものですよね。
小林 具体的にはどう違うと認識されていますか。
古賀 自己肯定というのは、結局、嘘があるというか、嫌いなものを無理矢理好きになろうとしている態度な気がします。一方、自己受容というのは、仮に自分自身を60点だと思っていたとしても、それを受け入れてスタート地点にする態度だと思いました。自己肯定は好きになることが目的になり、ゴール地点を探してしまっている。
岸見一郎(以下、岸見) アドラーは「大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」と言っています。
小林 60点の自分でも好きになるということですよね……。最近、「バイキング」というテレビ番組の企画で花嫁修行をさせていただいているんですが、私は「結婚ができない女性」という状況だと認識されています。
古賀 どういう状況なんでしょうか(笑)。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。