Before/Afterを考えるインタラクションの設計—映像とインタラクション

BAPA(バパ)の今回の講義「サウンドデザイン/映像とインタラクション」の後編は、PARTYのニューヨークオフィスから、クリエイティブ・ディレクターの川村真司さんが駈けつけてくれました。卓越したアイデアで人々を驚かせ、楽しませる作品を次々と生み出してきた川村さん。「つくり方からつくる」とはどういうことか、そして制作の裏に込められたさまざまな仕掛けとは。

映像とインタラクションをつくり方からつくりだす


川村真司(かわむら・まさし/PARTY クリエイティブ・ディレクター、ファウンダー)
東京生まれ、サンフランシスコ育ち。慶應大学 佐藤雅彦研究室にて「ピタゴラスイッチ」などの制作に携わり、卒業後、CMプランナーとして博報堂に入社。2005年、BBH Japanの立ち上げに参加し、アムステルダムの180、BBH New York、Wieden & Kennedy New YorkのCDを歴任。adidas、Googleなどさまざまなブランドのグローバルキャンペーンを手がけつつ、個人での制作活動も精力的におこなっている。SOUR「日々の音色」「映し鏡」ミュージックビデオのディレクション、NHK「テクネ 映像の教室」ディレクションなど、その活動は多岐に渡る。2011年米Creativity誌「世界のクリエーター50人」に選出。

 僕の話をする前に、松尾さんの話がすごくおもしろかったので、それについて少しふれます。

 音楽の話は、今やっている「Fantastic! SHIBUYA」の卒業制作とはあまり関係がないと感じた人もいるかもしれません。でも、やっぱり、人の注意を奪うのって絵だけだと難しいんですよね。音のアテンションがあるからこそ体験に引き込まれる。音楽というのはどんな作品においても重要な要素なんです。

 最後の「1つの専門を軸に、2つ以上の専門性を持て」という話もすごく納得しました。僕はプログラムでインタラクティブ作品をつくる人だと思われがちなんですけど、じつは自分ではコーディングをしません。もともと大学でJavaやC+をちょっとやって、すぐ見切りをつけてデザインや映像のほうにいった人間なんです。それでもなんとかなっています。

 職人と言えるような専門性があると言えるところまで突き詰めなくても、大丈夫な場合もあるということです。つまり、コーディングとはどういうものなのかということがわかっていれば、プログラマと一緒にものをつくるときに、どう話せばいいのか、なにができるのかという幅がわかってくる。だから、コードが書けないから自分はダメだ、と思わなくていいし、書ける人はすごいチャンスだ、と思っていればいいんです。

インタラクティブとスクリーンの2軸で考える

 さて、今日は「映像とインタラクション」というテーマで話をしようと思っています。映像の作り方というより、「インタラクション」を考慮したときにどういった発想法があって、エモーショナルな体験にするために何を気にするべきかをお話できたらと考えています。

 現在の映像作品の多くは、インタラクティブとスクリーンという2軸でつくったマトリクスにプロットできると考えています。

 インラクティブというものがなかった時代は、映像といえば映画みたいなオンスクリーン・ノンインタラクティブの作品しかなかったんですよね。でも、タッチスクリーンやデジタルサイネージなどで、オンスクリーンのインタラクティブ表現もできるようになったし、最近ではスクリーンに限らない映像表現もできるようになってきた。

 映像を駆使していろいろな表現が可能になり、どういう体験をつくれば一番届けたい人に届くのか、というメディアのことも考えていかなければいけなくなりました。ただテレビで流れる映像をつくればよかった時代とは変わってきているということです。これは考えることが増えて大変なことですが、そのぶん、おもしろい。

 今日お話するポイントは3つあります。

 ・体験、インタラクションを考えた映像設計

 ・メディアの特性を活かした映像表現

 ・視聴のBeforeとAfterを考える

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コメント

yaiask BAPA、今回は映像表現についてPA 4年以上前 replyretweetfavorite

nkg_13 「表現の表層にとどまっているのが惜しい。そこは、ふりかけみたいなもの。表現から逆算して、まずごはんの部分を見つけないといけない」って川村さん。 []の設計|教えて、バパ。 https://t.co/H1LPyo5TS3 4年以上前 replyretweetfavorite