努力なんて意味がないという病いにかかる日本人
あなたは「努力」について、どれだけ真剣に考えたことがありますか?
私たちは、幼少のときから大人に至るまで、努力することの大切さをくり返し教わってきました。
努力とは、普遍的なテーマですが、実は考えれば考えるほど、とても難しいテーマでもあります。
「そもそも努力は必要か?」
「嫌いなことに対しても努力し続けるべきなのか?」
「努力をすれば本当に報われるのか?」
「才能がないのなら、努力しても意味がないのではないか?」
「努力が報われないときはどうするか?」
スポーツの世界で栄光をつかむことができるのは、実はほんの一握りにしかすぎません。
ビジネスの世界でも、社長や役員になれるのは、やはりごくわずかです。
それでも、努力を続けることに何の意味があるのでしょうか?
努力について考えていくと、私たちは多くの難題にぶち当たります。
考えれば考えるほど、問いの壁の大きさに気づくことでしょう。
努力の意義を考えるとき、運命や宿命、そして運との関わりも避けては通れません。
過酷な試練や逆境は容赦なく、突然に訪れます。そんなときは、自分が築いてきたものが崩壊し、人生の意味や努力のすべてが否定されたかのように思いがちです。
弁護士としての活動の傍ら、写真家としても活躍中。書籍に掲載している著者が撮影した写真を掲載します。
努力なんて意味がない……。
努力はむしろ無駄ではないのか?
なんて世の中、不公平なんだ。
……と。
私たちは悩み、答えが出ない中で、このようにもがき続けます。
逆境時に、力尽きそうになっている人にとっては、努力など何の支えにもならないことも少なくありません。
以前の私が、まさにそうでした。
でも、果たしてそうなのでしょうか?
努力は本当に無力なのでしょうか?
35年前は私が絶望の国の若者だった……
私の経験を交えながら、これらの問いに対する答えを、さまざまな角度からあなたと共に考えていきたいと思います。私は、弁護士界では少しは名が知れた存在かもしれませんが、世間的には無名です。
そんな人間の言うことにどれほど意味があるのか、耳を傾けてもらえるのだろうか……当初、私には迷いがありました。加えて、私のプライベートに踏み込まねばならないことにも躊躇がありました。
しかし、私はあるとき、このような迷いや悩みを吹っ切ることができました。
講演で私が経験してきたことの数々を話すと、
「涙が出てきました。私もがんばります」
「絶望から立ち上がる勇気が湧いてきました」
「未来は変わると信じられます」
「苦しみも悲しみも受け入れられる気がしてきました」
……など、多くの人に共感していただき、たくさんの感想をいただくことが度々あったからです。
そのような体験を経て、「私の経験が悩み苦しんでいる人に少しでも参考になるのなら、この際、正面から努力について話してみよう」と思うように至りました。
私が伝えたいことはただ一つ。それは、
どんな状況に置かれても、どんな困難に直面しても、私たちはきっとそれらを乗り越えられる。
そして、結果が出なくても報われなくても、正しい努力をすれば運命を、そして人生を大きく変えることができるということ。
私は人生の中で、絶望の淵に立たされていたことが何度かありました。
悩み苦しみ途方に暮れたことも一度や二度ではありません。
そんなときも努力を続け、ときには休憩をして、再び立ち上がってくることができました。
私は今、とても幸せに、充実した人生を送っています。
次回は、私の生い立ちと努力について述べます。
(第2回へ続く)
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