中編】漫画とフードに、祈りたくなる瞬間。

お菓子研究家の福田里香さんと文筆家の岡田育さんによるフード女子対談第2回。福田さんが漫画エッセイを書くようになったきっかけとは? そしておふたりが敬愛する漫画家・萩尾望都さんに、福田さんがインタビューしたときの“フード”にまつわるエピソードも明かされます!(構成:小池みき 会場:代官山蔦屋書店

ファッション雑誌で「漫画エッセイ」を書き続けた結果……

岡田育(以下、岡田) そもそもお菓子研究家である福田さんが漫画についてのエッセイを書き始めたのは何がきっかけだったんでしょうか。

福田里香(以下、福田) 実はね、私に「漫画についてのコメントを紙面に掲載してもいいですよ」って初めて言ってくれたのは「オリーブ」だったの。

岡田 「オリーブ」ですか! さすがですね。

福田 1999年に、「あなたが影響を受けたものを紹介してください」っていう依頼で、おしゃれな料理研究家4、5人と並んでページをもらったんですよ。この状況で何か紹介するとしたら、普通は空気読んで料理器具とかを紹介するわけですよ。「パリで買ったすてきな木のスプーン」とかなわけですよ。

岡田 そうですよね、普通は「学生時代に出会ったこのスプーンがきっかけでお菓子の道に……」みたいな話ですよね。

福田 オリーブの方は明らかにそういうつもりで持ってきた企画だったんだけど、そこで私は「漫画でもいいですか?」って言ってみたわけ。

岡田 それは思い切りましたね(笑)。

福田 でもオリーブは懐広いね。わかりましたそれでいいです、って言ってくれて。大島弓子さんとか、安野モヨコさんとかよしながふみさん、「えみくり」(※)までぶっこみました。

岡田 「えみくり」まで!!!! だいぶぶっこんでますねー。

※イラスト担当のえみこ山と小説担当のくりこ姫による2人ユニット。同人サークルとして人気を博した後商業デビュー。学園ものBLを得意とする。

福田 その後、2000年に今度は「装苑」で連載ページをもらいました。もちろん、依頼されたのはフードコラムですよ。だけども……。

岡田 だけども(笑)。

福田 別に漫画を紹介してもいいんじゃないかしら、と思って。だって、他に漫画の紹介してるページはないですから。それでよしながふみさんを紹介したんです。さすがにいきなりフードから離れるのはまずいなと思ったから、『西洋骨董洋菓子店』っていう、一応フードと話題をつなげやすい作品を紹介して。

西洋骨董洋菓子店 (1) (ウィングス・コミックス)
西洋骨董洋菓子店 (1) (ウィングス・コミックス)

岡田 ケーキ屋さんが舞台ですもんね。セーフですよ、セーフ。

福田 それでも、雑誌でたった1ページのフードコラムでどうして漫画の話してるんだよって、担当編集さんは怒られたらしいです。でもね、なんとかその後も連載を続けさせてもらえて、そうしたら2001年に『西洋骨董洋菓子店』が月9でドラマ化して、そして講談社漫画賞まで取っちゃった。それで「福田さん見る目があるじゃない」って話になって、『まんがキッチン』につながり、今回の『まんがキッチン おかわり』までたどり着いたというわけです。今思うと、みんな優しかったなあ。

岡田 己の決めた生き方を貫けば道はひらける、という話ですね(笑)。

福田 実は、前作の『まんがキッチン』を出した時に割とすぐに重版がかかって、二冊目どうですかとも言われたんだけど、出せませんって言ったんですよ。

まんがキッチン (文春文庫)
まんがキッチン (文春文庫)

岡田 そうだったんですか! それはどういう理由だったんでしょうか。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
フードに隠された女子のひみつ—福田里香×岡田育対談

福田里香 /岡田育

お菓子研究家・福田里香さんのエッセイ『まんがキッチン おかわり』発売を記念した、文筆家・岡田育さんとのトークイベントの内容をcakesでもお届けします。ノンストップで目が離せない、漫画×フード女子対談です。

関連記事

関連キーワード

コメント

yokoide 将棋の話題も出てきて、感動した。 約4年前 replyretweetfavorite