「アホ」はあなたのことが実は好き
ここで想定するアホとはどんな人物だろうか? 一言で言えば、あなたがわざわざ戦ったり、悩んだりする価値のない人間である。そして不条理な人物である。あなたにとって一見、目障りで邪魔である。時として正当な理由もなくあなたの足を引っ張ってくる当たり屋でもある。あなたに体当たりして絡んで、自分の価値を上げようとする人物だ。
あなたにしつこくアタックしてくるアホの特徴は、まず暇であること。暇に加えて、これはあなたが知らねばならない大事な特徴だが、このアホはあなたに強い関心がある。しつこく嫌なことをやってきたり、言ってきたりする人は、実はあなたに興味があり、かまってほしかったりする。つまり、あなたに振り向いてほしいから理不尽なことを言ってくるのだ。
表向きは気付いてはいないかもしれないが、深層心理では多分あなたが好きだ。嫌いというケースもあるだろうが、深層心理では、好きも嫌いも、強い関心があるということで同じである。あなたがアホだと思うくらいだから、その人物の実力を認めていない。しかし、それなりにあなたの未来に影響力を持っている場合がある。だからあなたは気にしてしまう。本書では、そんな人物のことを想定している。
こうした人物には、もうすでにこちらから“嫌いオーラ”を送ってしまっている可能性が高い。向こうはあなたに関心があり、潜在意識では好きかもしれないのに、あなたが嫌いオーラを発していたら、向こうの愛は憎しみに変わる。そして、すでに決戦の火ぶたは切られてしまっている。
他者とのイザコザで人生を浪費していた自分
私の周りにもそういう人間がいた。企業で働いているときも政界に入ったときも。そして多くの場合、自分の未熟さゆえにそういう人物と戦っていた。