TWO SIGHTS PASTでやりたいこと
—— 10年以上お互いの写真を撮り続けていますが、やめたくなったことはありますか?
喜多村みか(以下、喜多村) 実はわたしのほうはいちど、極端にモチベーションの下がった時期があります。やめてしまおうとまで思って、ゆきちゃんにも言いましたね。これはじぶんのなかでの問題だったんだけど。
渡邊有紀(以下、渡邊) その話を直接聞いたときは、目の前が真っ白になりました。
喜多村 でも結局、持ち直した。そんなことがあったりしながら、気負わず続けている。ベストの方法かどうかよくわからないけれど、こんなやり方でしかできないんだよね。
渡邊 じつはまわりから、「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」と助言されることは多いんです。ユニット名をつくって活動したら、とか。
喜多村 あと、必ず同じ場所で撮り合うようにルールを定めたらとか、ヌードを撮ればとかね。要は、もっとわかりやすいイメージを撮ればいいのにってことなんだとおもう。そういう意見で人が何を言わんとしているかは理解できるけど、やりたいのはそこじゃない。
渡邊 じゃあ何なんだと言われると説明しづらいから困る。
喜多村 そう。記録なのか何なのかよくわからないけれど、現時点では見定められない。とはいえ、はっきりさせる必要もあまり感じないんですけど。ただ、作品として世に出していくうえでは、どう見てもらうか、どう説明するかは、ちょっと考えないといけないかもしれない。撮影すること自体は、自然なかたちでは続いているんだとは思うけど。
「終わり」は想定していない
—— この作品は、さまざまな写真表現のなかでどういう位置にあると思いますか?