全く改善できません、という前に
「本を読みました。やるべきことはわかっています」と言ってくるのに、なかなか家計が改善できない相談者がいる。「保険はどうするとおトクか、投資はどうすると確実に増える?」「今はここの銀行の利率がいい」など、細かな情報を知りたがり、またはしっかりと情報を入手しているのに、なぜか家計は上向かないのだ。これはいったいどういうことなのだろうか?
やっているつもりでうまくいかないという人たちは、家計を改善するための知識は十分に持っていることが多い。さっきも書いたような保険や投資などのさまざまなアイデアを比較し、自分にはこういう方法がいいという結論にもいたっている。しかし、結論が出ていても実際に行動にうつすことができない。
「食費はムダが出ないように頑張っている」「生命保険は見直すつもり」「プロバイダーはやめて、携帯電話のテザリングでネット環境を統一しよう」「節約グッズ、節水グッズを使って、水道光熱費を節約するつもり」こういうふうに具体的に何かしようと考えているのに、「~~つもり」で止まってしまっている。残念なことだ。
わかっていると言うけれど……
どうして彼らは、「つもり」で止まってしまうのか? 忙しい、時間がない、面倒くさいと言う人もいるが、結局は情報を得、一般的には効果があることだろうということは理解していても、実際は、自分に効果があるかどうかはわからないと半信半疑だったり、自分の支出自体を客観的に見られていないために人に比べて問題がないはずだと勘違いしていることもあるのだ。また、見よう見まねでとりあえず試すが、面倒だったりやりにくいところは避けてしまい、中途半端な効果しか出ていない、という場合もある。
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