山内宏泰
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台北 國立故宮博物院 -神品至宝-」展——“白菜”だけじゃない、故宮の至宝
世界四大博物館のひとつであり、中国歴代皇帝のそうそうたる宝物を収蔵する、台湾の國立故宮博物院。その華麗なるコレクションが上野・東京国立博物館に上陸し、「台北 國立故宮博物院 -神品至宝-」展が開催されています。海外初となるあの翡翠でできた“白菜”の展示だけでなく、器・鏡台・絵画など至宝がもりだくさん。歴史を重ねてなお輝きをはなつ職人たちの手わざを堪能ください。
上野にある東京国立博物館は、日本有数の巨大な展示スペースを誇ります。常設展であろうと企画展であろうと、ひとたび巡ろうと思い立ったなら、観覧にそれなりの時間がかかることを覚悟せねばなりません。とりわけ現在は、特別展としてボリュームたっぷりの展示が繰り広げられていますからなおさらですよ。
企画展スペースで開かれているのは、「台北 國立故宮博物院 -神品至宝-」展。中国歴代皇帝のコレクションを収蔵する台北の國立故宮博物院から、選りすぐりの名品を200点以上も運んできています。
博物院の文物は、北宋、南宋、元、明、清の時代のものが主。年代でいえば10世紀から20世紀あたりですね。そのあいだに築かれた皇室コレクションは、さすが華やかでバラエティに富みます。歴代皇帝は美を愛するがゆえ、また権勢を誇ったり、みずからの権力の正統性を示したり、また人民教化のためもあって、美術品を集めたりつくらせたりするのにひじょうに熱心でした。
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この連載について
山内宏泰
世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む
著者プロフィール
ライター。美術、写真、文芸その他について執筆。著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)『写真のフクシュウ 森山大道の言葉』(パイインターナショナル)『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)『写真のプロフェッショナル』(パイ インターナショナル)『G12 トーキョートップギャラリー』(東京地図出版)『彼女たち』(ぺりかん社)など。東京・代官山で毎月第一金曜日、写真について語るイベント「写真を読む夜」を開催中。東京・原宿のスペースvacantを中心に、日本写真を捉え直す「provoke project」開催中。
公式サイト:http://yamauchihiroyasu.jp/