「松下幸之助さん、歳をとってボケちゃったのかな」
藤野英人(以下、藤野) このあいだの連載、ぼくがばーっと話した内容が、文章もデザインもすばらしい記事に仕上がっていて感動したんです。
糸井重里(以下、糸井) ありがとうございます。それを聞いたら、担当者もすごく喜ぶと思います。
藤野 このお仕事を見て、乗組員(ほぼ日のスタッフ)の方々に糸井さんの考え方が浸透しているんだなあ、と感じました。みなさんが、自分たちで課題を見つけられている。課題発見能力、糸井さんはそれをどうやって乗組員の方々に教えていらっしゃるのでしょうか。
糸井 まさしく、課題を発見する能力っていうのはうちの財産です。それでも「まだまだ」ですね。というのも、お金になる部分っていうのは、けっきょくぼくが考えることが多いんです。それがもったいない。ぼくがやっていることと頭のなかを、今後、とにかく半分は移したいと思っています。
藤野 なるほど。それはなかなか、たいへんそうですね。
糸井 とはいえ、藤野さんが褒めてくださったような仕事ができる理由は、うちの乗組員はみんな「素人」だからなんですよ。