糸井重里 vol.1 ほぼ日の社員は、なぜ「乗組員」なのか。

ファンドマネージャーの藤野英人さんが、イケてる日本の経営者にインタビューする対談シリーズ。今回のゲストは、東京糸井重里事務所社長の糸井重里さんです。あの「ほぼ日刊イトイ新聞」の主宰者であり、コピーライター、ゲームクリエイター、タレント、釣り人などさまざまな顔をもつ糸井さん。2度目の対面となる藤野さんが「どうしても聞きたいこと」を4つ持って、経営者の糸井さんに会いに来ました。まずは、なぜほぼ日はスタッフを「乗組員」と呼ぶのか、というお話です。

船が沈みかけても、最後まで残ってくれる人がボードメンバー

藤野英人(以下、藤野) 少し前に、ぼくはほぼ日の皆さんの前で、投資やはたらくことについてお話させていただきました(「どうして投資をするんだろう?」)。そのときも糸井さんと対談をさせていただいたんですけど、今回はお金についてではなく、経営者としての糸井さんにお話をうかがいたいと思っています。

糸井重里(以下、糸井) なんでもどうぞ。

藤野 4つ、聞きたいことを考えてきたんですけど……じゃあ、はじめは「ボード」の話から。

糸井 ボード、ですか。

藤野 役員のことを「ボードメンバー」っていいますよね。それってどこから来ているのかというと、そのまま、板、ボードなんです(コンコン、と机を叩いて)。それには、「会社」の成り立ちが関係しています。会社というものが生まれたのは、大航海時代だと言われています。ヨーロッパからインドへ船で向かい、インドのお宝を仕入れて売りさばくことで巨万の富を得る人たちがいた。でも、当時の船はよく沈むし、海賊も出没する。非常に危険な旅なんです。だから、ひとつの船を何人かで所有して、リスク分散をしていたんですよ。

糸井 ふむ。

藤野 無事に帰ってきたら、お金を出した人たちで山分けします。これが、ファンドのビジネスや株式会社の原型になっています。所有者と実行者の分離も、この頃からなんですね。役員をボードメンバーというのは、船底の板の上にいたからなんですよ。

糸井 板子一枚下は地獄、ってやつですよね。

藤野 はい。ぼくはこの話がすごく好きで。

糸井 いやあ、おもしろいです。

藤野 そこで、ほぼ日に話をうつすと、この事務所では社員のことを「乗組員」と呼んでいますよね。

糸井 そうです。ぼくは会社の原型が船だなんて、知らずに呼んでいました(笑)。

藤野 そうだったんですね! ぼくにとって、糸井さんが社員を「乗組員」と呼ぶことは、糸井さんという経営者を捉える上ですごく大きな要素でした。だからなぜ乗組員と呼んでいるのか、お聞きしたかったんです。

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イケてる経営者が日本を救う

藤野英人

日本株ファンドの「ひふみ投信」で抜群の成績を残しているファンドマネージャー藤野英人氏がイケてる日本企業の経営者にインタビューし、投資家の目線で成長の秘密をひもといていく対談連載。50歳未満の「アニキ編」と50歳以上の「オヤジ編」の2編...もっと読む

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munaken 「やっぱり進路が見えていない時は、信頼関係が失われていくんですよね。ぼくがやるべきことは、この船が向かっている方向について、みんなが笑っていられるようにすること。それが一番の仕事だと思っています」(糸井重里) https://t.co/9xGhDv73KS #耳と聲 2年弱前 replyretweetfavorite

hoshina_shinoda こちらも主音声です。ご興味あらば、ぜひどうぞ。 3年以上前 replyretweetfavorite

garagevoice 少数実行部隊としてのチーム論。 4年弱前 replyretweetfavorite

gateballism 船長としては申し訳ないんだけど、それについて「覚悟できてるよね?」ってわざわざ聞かなくてもわかってくれる人。/|イケてる経営者が日本を救う|藤野英人 @fu4 cakes https://t.co/qbMKwh3xGT 4年弱前 replyretweetfavorite