空気を読むのは、空気に流されるためではない。

日本人は空気を読むのが上手いと言われます。しかし、そもそも空気を読むことは何のために必要なのか、それを意識していなければ、ただ空気に流されるだけになってしまいます。空気を読んだうえであえて流れに逆らうことが、大きな飛翔のきっかけになるかもしれません。

「逆風」という表現があって、これは、自分が進む方向とは逆向きの風が吹いている、つまり、抵抗があって不利だ、という意味に使われている言葉だ。風に背中を押されていれば、その分が推進力になるから、速く走れるだろうし、ボールを投げたり蹴ったりすれば、遠くまで飛ばせるだろう。

僕は、ラジコンの飛行機をよく飛ばして遊んでいる。飛行機は、地面を滑走して、スピードが出たところで、上を向いて、離陸をする。飛行機の操縦で一番難しいのは、この離陸だ。着陸が難しいと思っているのは、一般人か初心者である。どうしてかというと、離陸は初めて飛ぶときだが、着陸は既に飛んできたあとなので、その飛行機の癖や操縦感覚に慣れている、という要因が大きい。

それはさておき、離陸のときに必要な速度というのは、地面に対する速度ではなく、空気に対する相対速度なので、飛行機は必ず、向かい風で離陸する。ラジコンではこれが鉄則。実機でもほぼこれに従っている。たとえば、空母のように船の上から離陸するときは、風上へ向かって船が全速前進して、向かい風でさらに船の速度も加える。  

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コメント

a_shuri 離陸は逆風の中、タイミングを読むものだ。言われてみれば確かに、流れてるだけのヤツは役に立たないなぁ。 4年以上前 replyretweetfavorite