ポトマックの岸辺より愛をこめて

ハーレクイン小説のなかには、アメリカの各地を舞台に展開する作品が沢山あります。ワシントンDCに留学中の池澤春菜さんが手にとったのは、池澤さんが滞在している街のそばの風景が多数登場する『ポトマックの岸辺』。ヒーローとヒロインのロマンスにうっとりしながらも、池澤さんが思わずツッコミたくなったポイントとは? ハーレクイン作品の見どころをトリビアといっしょにご紹介する「恋の数だけハッピーエンドがある」とあわせてお楽しみください。

 cakes読者の皆様、ごきげんよう。

 夢は道端で行き倒れたアラブの大富豪を拾うこと、池澤春菜です。なかなか落ちてないもんですね、アラブの大富豪。

 さて。目下ワシントンDCに語学留学中の私が住んでいるのは、南の方のアレクサンドリアという場所。ホワイトハウスやスミソニアンがあるど真ん中からは少し離れた閑静な住宅街です。

 え〜と、実は私、父と呼ぶ立場の人が二人おりまして。一人はアメリカ人なのです。なので、留学中はそのアメリカ人の父のお家に居候している身でございます。

 その家からすぐのところには、オールドタウンという古い街並みがあります。アメリカが独立する前、植民地時代の面影が煉瓦造りの建物に残る美しい並木道。道の左右には、おしゃれなレストランやアンティークショップが連なり、突き当たりはポトマック川。ハーバーには外輪船、アートセンターやシーフードの美味しいレストランも。


オールドタウンハーバーにあるレストラン・チャートハウス

 お休みの日には市庁舎前のファーマーズマーケットを覗き、ランチにエスニックを食べ、お気に入りの古着屋さんに立ち寄ってサイズ0〜2のラックを漁り、これでもかと意識高い感じの雑貨と家具と洋服のお品が並ぶアンソロポロジーでうっとり食器を眺める、というのが私のお気に入りの過ごし方。

 水上タクシーに乗れば、川を遡ってこれまた古い街並みが素敵なジョージタウンにも行けます。

 そのジョージタウンに居を構えるヒロインが出てくるのが、ノーラ・ロバーツ『ポトマックの岸辺』。

「シェルビーは生まれ育ったワシントンを心から愛していた。首都でありアメリカでも指折りの観光都市であるワシントンは、彼女にとって興味のつきない街だった。その気になれば、優雅な雰囲気や歴史の息吹に浸ることもできるし、薄暗い酒場や芝居小屋に入って心おきなく気晴らしもできる。市内を端から端まで見て回れば、通りの風景はまさに千変万化で、いろいろな物が目を楽しませてくれる—白く輝く記念塔、堂々とした政治関係の建物、煉瓦造りの古びたアパート、近代的な高層ビル、緑青に覆われた数々の銅像、広々とした緑豊かな公園」

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世界の合言葉はロマンス

池澤春菜

カナダのハーレクイン社が出版している女性向けの恋愛小説ハーレクイン・ロマンス。それらの作品をこよなく愛するのが、声優・エッセイストの池澤春菜さんです。ハーレクインの舞台となった街がたくさんあるロマンスの国アメリカへ語学留学に行っていら...もっと読む

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mirajapan 声優・エッセイスト池澤春菜さんのコラム「世界の合言葉はロマンス」が更新されました☆MIRA文庫からノーラ・ロバーツの傑作『 5年以上前 replyretweetfavorite