「男性が支払う」は西洋文化?
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
前回も書きましたが、僕は25才の頃、ブラジルで2ヶ月間暮らしていたことがあります。ある時、現地の30~40才くらいまでのお姉さま達10人くらいとお洒落なピッツェリアに行きました。食べて飲んで話して、誰かがボーイに「お会計ね」と伝えたところ、そのボーイは僕のところに伝票を持ってきたんです。もちろん金額は結構な額で、僕は目を白黒させてると、お姉さま達が「割り勘ってわかってるのに、男性のところに持ってくるのが習慣なんだよね」と笑っていました。そうなんです。ヨーロッパ文化が根付いているブラジルでは、男性に伝票を持っていくんですよね。そしてその時男性は僕一人だったので、僕を支払い担当と扱ってくれたわけです。
もちろん、日本のバーも西洋スタイルのモノマネですので、伝票は男性のところに持っていくことになります。でも、当然ですが、女性が支払うというパターンもよくあります。例えばbar bossaでも、偉い作家さんと一緒に飲んでいる出版社の女性が、「接待」として会社のお金で支払うことはよくあります。その女性が支払いなのはわかっているのですが、「男性が支払うもの」という前提があるので、偉い作家さんに持っていくべきかどうか、サービス側としては難しいところです。
少し話はずれますが、店員は「15700円になります」と声に出しちゃいけない決まりがあります。レストランでも接待される側のメニューには金額が表示されていなくて、接待する人のメニューには金額が表示されているということ、ありますよね。それと同じで、接待されている方に「金額を知られてはいけない」というルールがあるんです。でもですね、バーってすごく暗いんです。そして支払う人は大体、お年をめしている方が多くて、老眼だったりするので「見えない」なんてこともあります。そういうときは、金額を声に出していいのかどうか、悩むんですよね……。
女性に聞いた「男性が支払う」の理由
さて、なぜお会計は「男性が払うもの」という前提があるのでしょうか。先日、ある美人のお客様と話していたら、こんな話を聞かせてくれました。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。