誰も見たことがないものを、ひとつずつ現実にしていく
小野寺正実(おのでら・まさみ/バスキュール テクニカルディレクター)
2007年入社。ウェブサイト制作にとどまらず、リアルイベントやテレビ番組との連動企画など、話題性の高いプロジェクトの企画開発に数多く携わる。バスキュールのテレビ連動企画のテクニカルリーダーとして活躍。視聴者参加型番組「BLOODY TUBE」「金曜カーソル」をはじめ、テレビ各局の視聴者参加型番組の裏側を支える。文化庁メディア芸術祭、東京インタラクティブ・アド・アワード、Yahoo! Japan インターネット クリエイティブアワードなど、受賞多数。
【主な作品】ソーシャルヒッチハイク(株式会社トヨタマーケティングジャパン)
Share a Coke and a Song(日本コカ・コーラ株式会社)
バスキュールのテクニカルディレクターが意識していることは、アウトプットです。どんなに素敵な企画やアイデアがあっても、現実のものにならなければ意味がない。そこに責任をもつのがテクニカルディレクターだ、と僕は思います。
さあ企画ができました。でも、「誰もやったことないこと」なので、実現方法は誰もわからない。「誰もやったことないこと」つまりそこには既存のソリューションがないんです。その実現方法は自分たちで考えないといけない。そこで、つくりたいものを分析して、一定の条件下でどう解決するかを考えることが必要になります。
スマホを宇宙に飛ばしたい!?
ここで、僕が関わった事例を一つ紹介します。2011年にGalaxySⅡが発売された時のキャンペーン、「SPACE BALLOON PROJECT」です。
この企画の要件は、まとめるとこんな感じです。
実現したいこと(企画)
・スマホをバルーンで上空まで飛はす。
・サイトから入力されたメッセージをバルーン上のスマホで表示する。
・バルーンに設置されたカメラ映像をUSTREAMでストリーミングする。
・バルーンの位置、上空の気温などのトラッキングデータをサイトに反映させる。
・これらは全てリアルタイムでなければいけない。
・ミッションクリティカル。
清水 横からすいません、この企画、私はいち視聴者として観て、「すっげーな!!」と思ったんです。何がすごいって、実現した人がすごいなと(笑)。
「スマホを宇宙まで飛ばす」って、アイデア自体は誰でも思いつくんですよ。夢みたいな話だからこそ、どう実現するかが難しい。
私だったらこの企画を持ちかけられたとき、最初に映像を中継するための電波のことを考えると思います。小野寺さんは何を考えました?