「会話のキャッチボール」って、すごいいい例えだなって思います。
投げて、返して、投げて、返して……それだけなんだけど、なんか楽しい。やりすぎると疲れる。
時にはあらぬ方向に飛ばしてしまう。会話のファウルボール。
うっかり人に当てて痛い思いをさせてしまったりもする。会話のデッドボール。
あと、一方的な剛速球ばかりを投げ合って一向にお互いわかりあってない会話のことを、
「会話のドッジボール」
というらしいです。
これもうまい例えですね。
そうすると外野にまでガンガン投げてこられる、ってところまで含めて。
できれば、楽しくボールを投げ合いたいものです。
今回はcakes読者の方から、こんなご相談をいただきましたのでご紹介したいと思います。
私の周りには、自分はレズビアンだと胸を張って歩いている友人が2人もいます。その友人らとそれぞれ話をするとき、私はどうしてもセクシャリティに関しての会話を避けてしまう自分に気付きます。先日、「ほら、なんだっけあの映画。ゲイの映画で……」と言ってしまってから思わず心の中で「しまった!」と思ってあたふたしてしまったり……。
2人の友人のことは本当に尊敬していて、セクシャリティなどまったく関係なく、これからもずっと仲良くしていきたいと思っています。普段の会話では、私は2人がレズビアンかどうかなんてまったく気にならずに接しているのですが……。もちろん、2人とも素敵なパートナーがいて、私はただの友人というか後輩です。
レズビアンの方と普通に友人としてつきあっていこうと思ったときに、セクシャリティに関してはどんなことを言わない方がいいとか、どんな態度をとると傷付けてしまうとか、もしそんなことがあるなら教えていただけませんか?
私の友人たちが、私の理解のなさをまったく気に留めないほど、包容力があるのは分かるのですが。やっぱり、友人として彼らのことも理解したいな、と思います。
(※筆者により、一部中略・編集させていただいています)
ということで、「非レズビアンがレズビアンと友人関係でいるときに気を付けるべきことは?」というご相談ですね。そうよね? わたし、ボール捕え損ねてないといいんだけど。ご相談、ありがとうございます。
それでは、わたしなりにお答えしていきたいと思います。
結論から言うと、「ない」かも。
レズビアンと友人関係でいるために、非レズビアンと違って特別に気を付けるべきことって、特にないんじゃないかと思います。
なんか前「ゲイのお客様には必ず女性客に接するように接しましょう!」みたいなことおっしゃる接客業の方がいらしたんですけど、それは違うんじゃないかなと思います。だって、「女性客への接し方マニュアル」を作ったとしても絶対すべての女性には当てはまらないでしょ?
それでもあえて挙げるなら、大事なのは以下の3点です。
・決めつけないこと。
・言いふらさないこと。
・誠実に話を聴くこと。
でも、それって、別に「レズビアンだから特別に必要とされること」じゃないですよね。誰に対しても同じです。
ただ、「レズビアンさん」じゃなくて「その人」と友達でいればいいだけだと思います。
質問くださった方は「友人として理解したい」とおっしゃっています。すてきです。そのままでいいと思いますよ。「レズビアンさん」じゃなくて「その人」とあなた自身が友達でいられるなら、それでいいんだと思います。
間違うことや失言を恐れすぎなくても大丈夫。それを乗り越えてこそ、互いに理解が深まるものだと私は思います。キャッチボールだって、失敗してこそうまくなるんです。当たったときは、ちょっぴり痛いけどね。それより当たってしまった後にどうするかのほうがだいじ。友達関係もいっしょだと思います。
しかし、「レズビアンさん」とか「ベジタリアンさん」とかなんとかその人の属性に目を向けるのではなく、「その人自身」とお友達になるってことは、意識していてもなかなか難しいものですよね。特に、自分と違う属性の人だと。