メランコリック

最終回 RIN on the stage メランコリック

「文化祭のステージが終わったら、本当の気持ちをレンに伝える」――そう決意していたリン。しかし、「転校することになった」という思いがけないレンの言葉に、自分の気持ちを飲み込んでしまう。リンは気持ちを伝えることができるの――?

Youtubeとニコニコ動画での動画再生数が360万回を超えるボーカロイド楽曲「メランコリック」が遂に小説化! 書籍発売を記念して、一部を公開します。
♪『メランコリック』動画はこちらから♪


『メランコリック』 作詞作曲:Junky


【10月4日(日) 昼】

 それからの数日は、どうやって過ごしたか、よく覚えていない。  
 レンに、がんばってね、元気でね、と言ったことは確かだけど、どんな表情をしたかはわからない。  
 わたしの気持ちは、ついに伝えることはできなかった。  
 転校の理由は、親の転勤。それ以外にも説明されたけど、頭に入らなかった。  
 ただ、必死に、笑ったことだけは覚えている。  
 レンの両親は、先に引っ越し先へと移るらしくて、うちに挨拶に来たのがついこの間のこと。  
 本人の希望で生徒会の引継ぎが終わるまで一人で残っていたレンも、とうとう日曜日である今日、行ってしまうという。  
 わたしは、朝からずっとベッドから出ずに、布団にくるまっていた。  
 何か考えると、押しつぶされてしまいそうで、ただじっと時間がたつのを待っていた。  
 見送りに行く、と言っておいて、わたしは行かなかった。  
 今ごろ生徒会のメンバーが空港でレンを送り出しているはずだ。さっきまでは何度か携帯が着信していたけど、やがてそれもなくなった。
(もう飛行機、行っちゃったかな……)

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メランコリック

ココロ直 /ちほ /Junky

「わたしは、きっと、こんなわたしが大嫌い。」 幼なじみのリンとレン。ある出来事がきっかけで中学時代にレンを避けていたリンだが、進学した奏丘高校でルカ先輩たちの誘いを受けてレンと共に生徒会メンバーになることに! 片想い中の相手に素直...もっと読む

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