メランコリック

第11回 RIN on the stage ユウヒとウタヒメ

MIKUとの突然の出会いで、リンの心はふわっと軽くなった。ちょっとだけ勇気を出して、素直になってみよう。そう、MIKUと「がんばる」って約束したから――。

Youtubeとニコニコ動画での動画再生数が360万回を超えるボーカロイド楽曲「メランコリック」が遂に小説化! 書籍発売を記念して、一部を公開します。
♪『メランコリック』動画はこちらから♪


『メランコリック』 作詞作曲:Junky


「おお—い! リ—ン!」
 そこへ、入れ替わるように、レンがやってきた。超有名人とすれ違ったはずだが、気付かなかったのか、立ち止まった様子はない。
 わたしの姿を公園の片隅に見つけると、ホッとしたような、噛みしめるような顔になって、まっすぐ駆けてくる。
「ハァ…こんなところにいたのか…ハァ…」  
 ずっと走っていたのだろう。息が切れて、額も汗だくだ。  
 レンは、言葉を探していたようだけど、わたしはそれを待たずに、押し出されるように口を開いていた。
「あのね、レン」
「え……?」  
 たぶんわたしの表情が、いつもと違っていたんだろう。レンは言葉に詰まったように、小さく驚いていた。  
 わたしの悩みなんて、ちっぽけだし、この性格も、きっとすぐには変えられない。
(あの人みたいに微笑むことはできないかもしれないけど—)  
 でも、約束した。がんばる、って。
「わたし、歌うよ。文化祭で」
「え、おまえ……」
「歌いたい歌があるの」  
 わたしの顔を見て本気だとわかったのか、レンは目を丸くしていた。それから、その目を細めてくしゃっと笑い、「ありがとう」と小さく言った。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
メランコリック

ココロ直 /ちほ /Junky

「わたしは、きっと、こんなわたしが大嫌い。」 幼なじみのリンとレン。ある出来事がきっかけで中学時代にレンを避けていたリンだが、進学した奏丘高校でルカ先輩たちの誘いを受けてレンと共に生徒会メンバーになることに! 片想い中の相手に素直...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません