メランコリック

第10回 RIN on the stage ユウヒとウタヒメ

レンにひどいことを言ってしまったと落ち込むリン。とぼとぼと歩いていると、子どもの頃レンと遊んだ公園に近づいていた。公園に行こうかどうしようかと悩んでいたリンが突然出会ったのは、なんと、MIKU?!

Youtubeとニコニコ動画での動画再生数が360万回を超えるボーカロイド楽曲「メランコリック」が遂に小説化! 書籍発売を記念して、一部を公開します。
♪『メランコリック』動画はこちらから♪


『メランコリック』 作詞作曲:Junky


 知ってるも何も、ついさっきスクリーン越しに見た。この声、この顔—どう見ても本物だ。
 わたしの反応から察したらしいその人、MIKUは、しーっと人差し指を立てて、周囲をうかがいながら身を縮めた。
「こっち」  
 何が何だかわからないままに手を引かれ、そのまま狭い路地に引っ張り込まれてしまった。
「ごめんね、ちょっと、見つかりたくなくて」  
 MIKUは、路地から少しだけ顔を出し、誰の気配もないことがわかると、ふうと小さく息を吐いた。  
 と、同時に。
「ぶはぁぁぁ!」  
 わたしは盛大に息を吐いた。いつの間にか呼吸も忘れていたのだ。
「な、なんで? どうして?」  
 当然の質問が口をついて出る。今や国民的人気の歌姫が、こんな何もない住宅街に一人でいるなんて、考えられない。
「ちょっとロケを抜け出してきちゃった」  
 いたずらっ子のように笑い、舌を出している。  
 やっぱり本物だ。  
 本物、なのだが……。
「マネージャーに見つかったら怒られちゃうから、ナイショにして? もうね、すっごく怖いマネージャーなの。女の人でね、普段はキリッとしてるんだけど、怒ると般若はんにゃみたいな顔になるのよ! こーんなよ、こーんな!」  
 と言って、指で自分の目を吊り上げて真似をしている。  
 わたしは、ただただ呆然としてしまった。
(な、なんか、イメージ違う……)  

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メランコリック

ココロ直 /ちほ /Junky

「わたしは、きっと、こんなわたしが大嫌い。」 幼なじみのリンとレン。ある出来事がきっかけで中学時代にレンを避けていたリンだが、進学した奏丘高校でルカ先輩たちの誘いを受けてレンと共に生徒会メンバーになることに! 片想い中の相手に素直...もっと読む

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