メランコリック

第8回 RIN on the stage ヒミツなキモチ

文化祭では、生徒会のメンバーでバンド演奏を披露することになった。ルカ先輩といっしょに練習に励むリンだが、気になるのは最近ちょっと様子がおかしいレンのこと……。

Youtubeとニコニコ動画での動画再生数が360万回を超えるボーカロイド楽曲「メランコリック」が遂に小説化! 書籍発売を記念して、一部を公開します。
♪『メランコリック』動画はこちらから♪


『メランコリック』 作詞作曲:Junky


【7月14日(火) 放課後】

 わたしはルカ先輩に習いながら、放課後の音楽室でピアノを借りてキーボードの練習をするようになった。
「そうそう、いい感じ。やっぱりリンちゃん上達早いわ~」
「いえ、そんな。先輩たちに比べたら全然です」  
 ルカ先輩と並んでピアノを弾くのは、ちょっと懐かしかった。あの時もよく褒めてもらえたから、得意げになったりもしていたけど、それがとんでもない勘違いだったと今になって思い知らされた。
「なんだかわたしが足を引っ張ってるような……」  
 みんなの上達度は、すごかった。あっという間に置いていかれた。
「会長やレンくんは経験者だし、カイトくんはしっかり音楽やってた人だからね。しょうがないわよ。普通に考えたらリンちゃんだってすごいのよ?」
「うう……慰められるとよけいにつらいです……」  
 半泣きのわたしの頭をなでながら、ルカ先輩は微笑む。
「指が! わたしの指なのに言うことをきかないんですよ! きっと何かに乗っ取られてるんです! 宇宙人とかそれ的なものに!」
「リンちゃん落ち着いて」  
 ふざけて二人で笑い、ふうと一息つく。  
 こういうところはお互い昔と変わらないみたいだ。  
 休憩しようということになって、ルカ先輩が鞄から出したのどあめを、ありがたくもらった。  
 話題は自然と、生徒会のことになる。
「私ね、会長にお礼言われたんだ。あの二人を生徒会に連れてきてくれてありがとう、って」
「え、や、わたしはそんな。たいして役に立ってないですし」
「ううん、すごく助かってるわよ。仕事だけじゃなくて、雰囲気とかも。とっても明るくなったのよ」
「でも……ときどき空気悪くしたりしてませんか?」
「ふふふ。そんなことないわよ。心配性は変わってないのね」
「う~……」
 ルカ先輩には、わたしの昔からの悪い癖もほとんど知られている。接点はなかったけど小学校も同じだったし、中学では生徒会で多くの時間をいっしょに過ごしたのだ。

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メランコリック

ココロ直 /ちほ /Junky

「わたしは、きっと、こんなわたしが大嫌い。」 幼なじみのリンとレン。ある出来事がきっかけで中学時代にレンを避けていたリンだが、進学した奏丘高校でルカ先輩たちの誘いを受けてレンと共に生徒会メンバーになることに! 片想い中の相手に素直...もっと読む

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