さる5月27日の夕方に行われた、ハフィントンポスト日本版の1周年記念イベント「未来のつくり方」に行ってきました。
イベントは、女性が働きやすくワークライフバランスの取れた社会をどうしたら実現できるかというテーマで、企業・政府・市民のそれぞれの立場からさまざまなスピーカーが話すというものでした。登壇者はキャロライン・ケネディ駐日米国大使をはじめ、経営コンサルタントの小室淑恵氏、ファザーリング・ジャパン代表理事の吉田大樹氏、P&Gジャパン執行役員の石谷桂子氏など豪華な面々でした。
イベントの最後にスポンサーでもあるP&Gの役員が出てきて、会社の話はほとんどせず石谷氏自身の子育てと仕事の両立について延々話しているにもかかわらず、「女性にこんな柔軟な働き方の機会を提供するなんて、P&Gってなんて素晴らしい会社なんだ!」と思わせるあたり、イベント全体が見事なネイティブ広告となっていて、さすがハフポと唸らされましたが、それはまた別の話。
今日はそのイベントの中で私がひっかかったある一言、登壇者の1人であるデンマーク人の著述家のイェンス・イェンセン氏がパネルディスカッションの最中につぶやいた「PTAってムダが多くて、女性の社会復帰の足かせですよね」というセリフについて、少し考えてみたいと思います。
「負担は平等に」が引き起こす社会的不平等
これまでこのコラムでさんざんPTAの効用を説いてきたので、読者の皆さんはきっと私が「そんなことない!」と反論するだろうと思われるかもしれません。
しかし、PTAに関する話をこのコラムで書き始めてから、何人かの知り合いにPTA絡みの相談を受けたりもしたのですが、そこで聞く限り、世の中の大半の学校のPTAというのは女性の社会進出やワークライフバランスの実現にとっての「敵」だ、と言われてもしかたがないのかなと考えています。
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