留学は恋のはじまり?

カナダのハーレクイン社が出版している女性向けの恋愛小説ハーレクイン・ロマンス。それらの作品をこよなく愛するのが、声優・エッセイストの池澤春菜さんです。ハーレクインの舞台となった街がたくさんあるロマンスの国アメリカへ語学留学に行っていらした池澤さんが、留学中にその生活と絡めながらハーレクインの魅力をつづった特別エッセイがスタートです! ハーレクインの魅力をいろいろな豆知識とともにご紹介する連載「恋の数だけハッピーエンドがある」とあわせてお楽しみください。(イラスト:百瀬なつ)

 cakes読者の皆様、はじめまして、池澤春菜と申します。

 本業は声優&書き物。何より読書を愛し、中国茶を嗜み、黒パグを愛で、きのこを偏愛する、趣味だらけの人生を歩んでおります。ツイッターでひょんなことからハーレクインのアカウントを知り、以来、トキメキと機智に富んだつぶやきにすっかり魅せられ「ハーレ先生」と呼んで崇める日々。ハーレクイン上級者の皆様にも、これからハーレクインの世界に飛び込んでみようかなと思っている皆様にも、ハーレ先生の魅力をお伝えできるよう、トキメキ語りをさせていただければ、と。

 実はわたくし、ただいまワシントンDCにおります。語学のブラッシュアップのために、短期留学に来てしまいました。アメリカといえばハーレクインの本場、情熱的で、容姿も権力もお金も持ち合わせたスーパーヒーローがうじゃうじゃ私を待ち構えているのです!! 角を曲がればスターバックスのカップを持った若手CEOとぶつかり、ホールフードでお買い物をしてれば困り果てた大富豪から日本的カレーの作り方を相談され、ナショナルギャラリーの中庭で本を読んでいれば小国(でも超裕福)の王子様に見初められる……ロマンスの匂いしかしません。 いざ、と意気込んで海を渡りましたとも。

 語学学校はESL、English second lugageプログラム。ESLとは、英語以外を母国語とする外国人のための英語。なので世界各国から生徒が集まって来ます。私のクラスも大変国際色豊か(そもそも日本人は私一人しかいなさそう……)。いつハーレクイン的ロマンスが生まれてもおかしくない!! なのに。

 例えば、サウジアラビア人のアブドゥル。ラクダのような睫毛、甘いマスク、ドバイで教育を受けたエリートです。 アブドゥルさん、先日真剣な顔で私に聞いてきました。 「春菜、アメリカで一番素晴らしいものが何か知ってるか?」「え、え〜と……みんしゅしゅぎ?」 「違う!! ファストフードだ!!  俺の体の半分はチポトレ(メキシカンコンセプトのファストフード店)でできている!!」 と、恍惚とした顔で語っておられました。目下の悩みは次のラマダン。チポトレなしの生活に耐えられるかどうか、らしいです。

 もう一人のサウジアラビア人、おひげのアフメドは、私がくしゃみをしていると、しゅっとポケットティッシュを滑らせてくれる優しい人。一枚とって返そうとするとウインクと共に「君のものさ」と……カクテルでやればさらにかっこよかったのですが、残念ながらクリネックス。

 コロンビアから来たルイスは無類のオシャレイケメン。しかも歯医者さん。本国では180平米のマンションに一人で住む、超エリートです。しかし……チャラい。めちゃくちゃチャラい。休み時間ごとに違う女の子が「ルイスいる?」と教室を覗きに来ます。その度に心の中で「こいつにだけは歯をいじらせたくない」との思いを噛みしめる私。

 もう一人のコロンビア人、名前はかっこいいシーザーは、眼鏡の優しそうなエンジニア。大変な愛妻家で、Skypeで毎夜奥さんと話すのが唯一の楽しみ。休日の予定を聞くたびに「妻と」と繰り返すので、もはや誰も聞かなくなったという…….。

 スペイン人のアルベルト、長身、黒髪黒目。ノンビリした優しい紳士。でもお弁当がジップロックにみっちり詰め込まれたポップコーンだけだったり、スイカだけだったり、謎多き食生活を送っていらっしゃいます。  

 そんなクラスメートとともに、単数複数、冠詞不定冠詞、日々出される大量の宿題と毎日何かしらあるテストに呻吟する日々……違う、なんか違う。ハーレクイン的めくるめくロマンスに発展する気配がこれっぽっちもない。足りないロマンス分は活字で補給するしかない!!と、学校の行き帰りのメトロの中でしんみり電子書籍版を読んでおります。

 と、言うことで。 次回からはそんな私のアメリカライフ(と言っても一ヶ月半だけなのですが)に絡めて、これぞ、というハーレクイン作品をご紹介していこうかと思います。題して「世界の合言葉はロマンス」。どうぞよろしくおつきあいくださいませ。

この連載について

世界の合言葉はロマンス

池澤春菜

カナダのハーレクイン社が出版している女性向けの恋愛小説ハーレクイン・ロマンス。それらの作品をこよなく愛するのが、声優・エッセイストの池澤春菜さんです。ハーレクインの舞台となった街がたくさんあるロマンスの国アメリカへ語学留学に行っていら...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

exaktar 文章うまいなー。さらりと読ませてしまう。乙女の読書道も読んで楽しかった。次作に期待しよう。 4年弱前 replyretweetfavorite

natokazu cakesで池澤春菜が連載はじめた。ハーレクインと留学、面白そうだ。 https://t.co/zwyFVCUUzb 4年弱前 replyretweetfavorite

seiyu_info [はてブ] #hatebu_seiyu 4年弱前 replyretweetfavorite

uttu_ また一人好きな方がcakesに!嬉しい!!>> 4年弱前 replyretweetfavorite