メランコリック

第2回 RIN on the stage スキとキライ

奏丘(かおなか)高校に入学したリンとレンは、さっそく入学式初日にルカ先輩から「おねがいしたいことがあるから、ちょっと私に付き合って」と声をかけられた。ルカの“おねがい”とは――?

Youtubeとニコニコ動画での動画再生数が360万回を超えるボーカロイド楽曲「メランコリック」が遂に小説化! 書籍発売を記念して、一部を公開します。
♪『メランコリック』動画はこちらから♪


『メランコリック』 作詞作曲:Junky


第一章 RIN on the stage

   1 スキとキライ

【4月6日(月) 放課後】

 わたしとレンは、ただの幼馴染みとはちょっと違っていた。  
 家が隣同士で、お互いの両親も仲がいい。特に母親同士が仲良しだったせいか、子どものころは同じ店で買った同じような服を着させられることが多かった。
 同じ場所で、同じおもちゃを使って、同じように遊んだ。  
 いっしょに過ごす時間が長いと、自然とそうなるのか、外見も仕草も表情もそっくりだと、周囲からよく言われるようになって……いつしかわたしたちは名前ではなく、『双子』とくくられて呼ばれるようになった。  
 今はもう、そう呼ぶ人はいない。  
 理由は簡単だ。
「リン、行こーぜ」  
 ホームルームが終わって、カバンを手に取ったわたしのところへ、うしろからレンが声をかけてきた。  
 ビクッとわずかに上がった肩の力を抜いて、努めてゆっくり振り返る。  
 小学校のころは、すぐ目の前に顔があった。今そこにあるのは、胸だ。さっきの入学式ではさすがにきちんとネクタイを締めていたけど、早くもメンドウになったんだろう、もう首元がはだけている。  
 わたしは視線を、頭一つ分、上に向けた。

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メランコリック

ココロ直 /ちほ /Junky

「わたしは、きっと、こんなわたしが大嫌い。」 幼なじみのリンとレン。ある出来事がきっかけで中学時代にレンを避けていたリンだが、進学した奏丘高校でルカ先輩たちの誘いを受けてレンと共に生徒会メンバーになることに! 片想い中の相手に素直...もっと読む

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