僕らが学校で最初に習うアルファベット、それはローマ字です。小学校4年生ぐらいの頃でしょうか? そして実はコイツが、かなり曲者なのです。例えば、中学1年で初めて英語に触れて、“You are my friend.” という文章に出会ったとします。この時点で知っているアルファベットといえばローマ字だけですから、みんなローマ字を介してこの英文の読み方を理解しようとします。そしたら you は「ヨウ」、are は「アレ」、my はよくわからないけど「ミャ?」、そして friend は「フリエンド?」みたいなことになってしまうわけです。
ローマ字の問題点をいくつかあげてみましょう。
まず、母音 “a i u e o” の発音を 「あいうえお」だけだという刷り込みがなされるのが、間違いの元です。だから、Energy が「エネルギー」とかvitamin が「ビタミン」みたいな和製英語が出来上がってしまうんです。また、発音からスペルを類推するさいにも、ローマ字が邪魔になります。「らりるれろ」を “ra ri ru re ro” と覚えてしまうのも、おおいに問題ありです。実際のところ「らりるれろ」は 、 “ra ri ru re ro” でも “la li lu le ro” でもありません。それからハ行を “ha hi hu he ho” とするのも、実は問題ありありです。そしてもうひとつ。y も子音としても母音としても扱われる文字なんですが、ローマ字から入ると、それも学び損ねます。
「ローマ字と英語は別物!」 そういう区別が中学1年くらいですぐにつけられる子はいいでしょう。でも同じアルファベットであるが故に、混乱をきたす子もそうとういるはずです。僕もそのうちの1人でした。
ハッキリ言いましょう。ローマ字を早期に覚えても、英語学習の害になるだけで、いいことなんてほとんどありません。さて今週は、このローマ字の呪縛を、少しばかり解いていきましょう。
英語の読み方をどうやって覚えればいいのか?
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