第1回】おっぱいは何のためにあるの?

男性も女性も、子どもも大人も、みんなが大好きなおっぱい。つい形や大きさに目が行きがちですが、実はその2つのふくらみにはもっと深いストーリーがあるのです。女性はもちろん男性にも知ってほしいおっぱいと女性ホルモンの秘密を、『きれいをつくる おっぱい体操』の著者・神藤多喜子さんへのインタビューとおっぱい体操などの実践編を交えてお伝えします。第1回のテーマは、そもそもおっぱいは何のためにあるのか、というお話。赤ちゃんや男性のためだけではない、大切な役割とは?

おっぱいを見れば、女性ホルモンが見える

—まず最初に、「おっぱいは何のためにあるの?」というお話からうかがいます。みんなが知っているのは、赤ちゃんに母乳をあげるためですよね。

 動物的には、母乳をあげるためだけですね。女の子は初潮が始まる頃からエストロゲンの分泌量が増えて、乳腺が発達しておっぱいが大きくなっていきますけど、それは「授乳ができる体」に成長していくということなんです。でも、今の女性は妊娠・出産の時期が遅くなっているし、回数が少ない。さらに、授乳期間も短い。おっぱいを活用しない期間が長くなっているんですよね。だから、おっぱいのトラブルが多くなってきているし、生理痛がひどかったりと、子宮のトラブルも増えています。

—それはなぜですか?

 おっぱいと子宮は女性ホルモンでつながっていますから。女の子のおっぱいが成長し始めて初潮を迎えると、次は「排卵ができる体」に成長していきます。すると今度は、エストロゲンだけじゃなく、もう一つプロゲステロンというホルモンが分泌され始めるんです。

 女性の体は、エストロゲンの分泌量が増えることで子宮内膜が厚くなって、排卵が起きます。妊娠の準備をするわけですね。排卵が起きたら今度はプロゲステロンが増え始めます。プロゲステロンは、妊娠を継続させるためのホルモンですけど、妊娠していなければ2週間くらいでストンと量が落ちて生理が始まります。毎月、卵巣からこの2つのホルモンが分泌されて女性の体を変化させているんです。

 子宮内膜が厚くなって排卵すると、乳腺が刺激されておっぱいも大きくなる。そして、生理で子宮内膜がはがれるとおっぱいも小さくなるのね。おっぱいと子宮は連動しているのよ。だから、エストロゲンとプロゲステロンがバランスよく分泌されないと、女性の体にとってはデメリットしかないですよ。バランスが悪くなって子宮内膜がはがれにくくなれば、生理痛が起きやすくなりますから。そして、それはおっぱいも同じってことなんですよ。

—先生がよくおっしゃる「詰まった感じ」ということですね。

 そうそう。だから、「おっぱい体操」で血液、リンパ液の循環をよくして、女性ホルモンのバランスを整えたり毒素の排出を促してあげることが大事なの。そうすると、子宮内膜もすんなりはがれて、生理も楽になりますから。つまりね、おっぱいっていうのは、動物としては授乳のための器官でしかないんだけれども、女性にとっては女性ホルモンのバロメーターであり、バランサーなの。そして、本来の使い方をしないなら、ちゃんとケアをしてあげる必要が出てくるのよ。

—子どもを産んで授乳をしなければ、本来の働きは使わないですからね。男性に対するセックスアピールをする役割はありますけども(笑)。

 ほかの動物は、匂いとお尻でセックスアピールをするんですよ。お尻のところに匂い袋があったりして、それでオスを刺激するのね。ところが人間は二本足で立っちゃったから、わざわざかがんでお尻をクンクン嗅ぐわけにいかないじゃないですか(笑)。だから人間の男性は、自分の生殖相手としていいかどうかを見極める目安の一つとしておっぱいを見るようになったんです。「男性はおっぱいが好き」って言われるのは、やっぱりおっぱいがふわふわして、揺れていて、女性ホルモンのバランスが整っている人を自然と選んでいるからでしょうね。ただね、それは男性側から見たことじゃないですか。

—はい。

 でも、女性側からすると、おっぱいは自分の体の内側を知るバロメーターでもあるので、特に「おっぱいの状態がいいか、悪いか」ってことに視点を置かないと、十分な健康管理ができないのよ。

 私が「おっぱいはずし」をすると「痛い」って言う人が多いけど、それは組織がくっついて傷んでいる証拠なんですよ。おっぱいが循環不全を起こして血液や酸素が行かなくなったせいですね。そういうときは「軽く、少しずつ、はずしたり揺らしたりしなさい」って言うけど、それは老廃物を流すためなんです。へばりついたおっぱいをはずして、30回くらい揺らすと、循環がよくなっておっぱいがふわっとなるんですよ。循環がよくなれば酸素と栄養が行き渡るから、続けるうちに大きくなったり血色がよくなったりもしてきます。

 だから、おっぱいがやわらかくて温かくてふわふわで、よく動いて、つっぱりやしこりがないことが女性の健康につながってきますよってことなのね。逆に、おっぱいが張って詰まってきたら体の循環も悪くなって老廃物が溜まっているサインです。

—生理前は張ったりしますよね。

 そういうときは、よく揺らしてください。それからね、女の人は毒素が溜まりやすいんですよ、どうしても。特にプロゲステロン期は妊娠期と一緒ですから、なんでも栄養にしようとします。それから、出さないようにするんですね。妊娠中に「出す」ということはつまり流産じゃないですか。だから、プロゲステロン期の女性の体は、なんでも抱え込んで出さないようにするんです。老廃物もね。同じ量を食べていても老廃物が出にくいから、どんどん溜まっていくんです。

「いいおっぱい」ってどんなおっぱい?

 女性には、おっぱいが硬い、冷たい、張って気分が悪いとか、そういうおっぱいの状態にもっと関心を持ってほしいですね。

—その、「冷たい」とか「硬い」っていうのが、なかなかわかりづらいと思います。おっぱい体操を続けていると、どういう状態が理想なのか感覚でわかると思いますが。おっぱいの状態がいいか悪いかっていうのは、どんなふうに判断したらいいんでしょうか? 

 まずは、よく揺れるかどうか。おっぱいって360度自由に動いて揺らせるほうが健康なの。おっぱい体操を勧めると「おっぱいが小さいから揺らせません」って言う人がいっぱいいるんだけど、そうじゃないのよ。揺らせないのは、おっぱいが脇に流れてペタっとへばりついているからです。

—そうですね。私も最初はあまり揺らせなかったんですけど、続けていたら……。

 揺らせるようになってきたでしょ?

—はい(笑)。

 ということは、揺らせなかったのは循環が悪くて固まって、動きが悪くなっていたから。やっぱり合わないブラジャーをつけていたり、おっぱいをブラジャーに押し込んで動かさなかったり、ひずんだままにしていたりして、循環を止めていたことが原因です。だからケアの必要性は、まずおっぱいが動くかどうか、揺れるかどうかで判断してもらいたいですね。あとは、冷えとか、やっぱり生理痛でしょうね。生理痛があったり、PMS(月経前症候群)があるのにおっぱいのケアをしないのはおかしなことなんです。

 それから、おっぱい体操では肩甲骨を動かしたりもしますけど、あれは肩甲骨の動きが悪いとおっぱいの循環も悪くなるからなんです。だから、肩こりや偏頭痛、あとは背中の痛み、腰の痛みがある人も、おっぱいの循環が悪いと言えますね。

—全部、滞っているということ。

 そういうことになりますね。それと、おっぱいが大き過ぎて重い人も、下側に老廃物がいっぱい溜まって排泄できなくて、ボテっと垂れてしまいます。特にそういう人は、肌が荒れたり肩が凝ったりしますので、そういうところもバロメーターとして見ていただきたいです。

 それから、まだ子どもを産んでいない人は特に意識して毒を溜めないようにすることが大切ですね。

—なるほど、「出産は最大のデトックス」って言われますものね。毒を溜めずに出すには、具体的にはどうしたらいいんでしょうか?

 まずは、おっぱい体操をすること。どんなに卵巣から女性ホルモンが出ていても、全身にくまなく行き渡るようにしなければ本来のはたらきはできません。おっぱいっていうのは特に老廃物が溜まりやすいところなんですよ。筋肉がないから動かないし、循環が悪い。ですから、おっぱいをいい状態に保つには、「揺らす」ってことはもう必須なんですよ。ただ、適当に揺らしたら垂れちゃうから注意しないとダメよ。ちゃんと持ち上げて、きれいな形にしてから上に揺らすことが重要。それから、大きさに差が出ないように、左右均等に揺らすことね。

 おっぱい体操以外には、まず食事に気をつけること。肉や乳製品など動物性の脂肪を多く含むものは控えめにしてほしいですね。あとは、シャワーだけじゃなくてお風呂に浸かって汗をかいたり、体を冷やさないようにして代謝を高めることが大事です。

おっぱいがきれいだと、女は幸せ

—おっぱい体操は「バストアップのための体操」というイメージで見られることが多いですが、実際、おっぱいはどのくらいのサイズで、どんな形が理想なんですか?

 まず、おっぱいって、靭帯で支えられて大胸筋の上に載っているだけなんですよ。だから、何もしなければ重力で垂れて、さらに脇に引っぱられて左右に広がってしまう。おっぱいはね、円錐状のお椀形に保つのが一番いいんですよ。その形だと循環も悪くなりませんから。そして、その理想の形に保ちやすい最大サイズがDカップなんです。

—なるほど。それ以上大きくなっていくと大変なんですね。

 どうしても、垂れやすくなるわよね。

—重みがありますからね。

 そう、靭帯が耐えられなくなりますから。筋肉をつけたり靭帯を強くしたりしても、重いから垂れやすい。だから、CカップかDカップくらいがいいんですよ。胸板の薄いやせた人はCカップくらいがいいし、私みたいに筋肉が厚くて太りやすい人はDカップくらいまで大丈夫なんですよ。大き過ぎて困っている人も、小刻みに小さく揺らすことで少しずつ張りを取ることができます。

 おっぱいは、まずは授乳のためにあるって言いましたよね。男性の生殖本能を高めることもできるし、自分の体の状態を知るバロメーターとしても重要。それとね、私たち人間は心が重要ですから、最後の一つは「女性の心を穏やかにする」という役割です。おっぱいがきれいに上を向いていて、トップとアンダーの差があって、ふわふわでツヤがあれば、嬉しいでしょう? 女性ホルモンのバランスをよくしてきれいな状態を保っていると、心が穏やかになるし、自分自身に自信が持てるのよ。

—鏡を見たときとか。

 そうそう。女性は美を追求しますから、「きれい」って思えると心が喜ぶんです。反対に、「醜い」って思うと心が沈んじゃう。「きれい」って思えることは女性にとってすごく重要なの。おっぱい体操をすれば、自分でそれができるよってことなんですよ。

—なるほど。もともとは赤ちゃんに母乳をあげるためのものだけど、自分のためでもあると。

 そう。でもね、今の人は自分のためが9割でしょうね。

—そうかもしれません。どうしても、「大きくしたい」「寄せて上げたい」ということが優先されてしまいがちです。でも、結果的にそれが自分のためになっていないこともあるわけですね。

 ボリュームを出すことだけを考えてブラジャーで固定して揺らさずにいたら、循環が悪くなりますから。だから、ブラできれいに整えているように見えても、はずしたらデロっと下がってくる。

—「垂れちゃうのはしょうがない。ブラで上げるしかない」って思ってしまいますしね。

 思ってるでしょ? それがダメなのよ。おっぱいをはずしたり、揺らして靭帯の弾力を鍛えればトップの位置だって変わってくるんですから。それとさっきも言ったけど、とにかく大きければいいっていうのはダメ。乳腺の数は決まっているのよ。乳腺は伸び縮みしますけど、妊娠中や授乳時以外はきっちりと収縮しているの。それを守るくらいの脂肪しかいらないのに、必要以上に脂肪がついているのは、女性ホルモンがアンバランスだからなんですね。

—じゃあやっぱり、女性ホルモンを整えることがきれいなおっぱいの必須条件なんですね。

 そうそう。女性ホルモンが整っていて循環がよく健康であることが、「心も体もきれい」ってことなのよ。見た目を整えるだけじゃなくてね。


>> 次回は、「女性を天使にも悪魔にもする女性ホルモン」「モテる男はホルモン周期がわかる!?」といったお話です。


取材・文/武井美智子(池田書店編集部)

 

おっぱい体操についてもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!

きれいをつくるおっぱい体操 きれいをつくるおっぱい体操
神藤 多喜子
池田書店

 

ケイクス

この連載について

おっぱいがあなたに知ってほしいこと

神藤多喜子

男性も女性も、子どもも大人も、みんなが大好きなおっぱい。つい形や大きさに目が行きがちですが、実はその2つのふくらみにはもっと深いストーリーがあるのです。女性はもちろん男性にも知ってほしいおっぱいと女性ホルモンの秘密を、『きれいをつくる...もっと読む

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コメント

mox3250x バストの存在する理由 8ヶ月前 replyretweetfavorite

pantabekanmi 「おっぱい 何のため」をよこしまな気持ちでググったらめちゃくちゃ勉強になった。 https://t.co/Dyv00lBDhA 約1年前 replyretweetfavorite

suguruko ”おっぱいと子宮は連動している” 1年以上前 replyretweetfavorite

Diplomat_JP @az3_e その言い回し、これを思い出した。 https://t.co/wQxooVXcMY 2年弱前 replyretweetfavorite