恋の数だけハッピーエンドがある

2人の愛を強める危険な職業

いつも危険と隣り合わせなのが「レーサー」という職業。ハーレクインのヒーローににもレーサーは多く、作中のレースで事故が起きることもしばしば。しかし、その不幸すらもひっくり返してしまうのが、ヒロインたちの愛なのです。
ハーレクイン・ロマンス日本上陸35周年、刊行点数3000作突破を記念し、35作品から、ヒーローとヒロインの想いが通じたシーンをcakesでお届けしていきます。

【ハーレクイン豆知識:レーサー】

ハーレクインヒーローに意外と多い職業がレーサー。莫大な資金力と恵まれた身体能力が必要なレーサーは、ヒーローにピッタリの職業なのかもしれません。危険な職業ゆえ作中の展開でも事故がつきものですが、ヒロインの愛によって必ずハッピーエンドで終わりますのでご安心を!

今回の作品『服従の甘い口づけ』のヒーローは元レーサー、今はレーシングチームのオーナーでヒロインの雇い主です。

Hamilton through the Hairpin
Hamilton through the Hairpin / Michael Elleray

【作品紹介】

『服従の甘い口づけ』

サーシャはレーシング・チームの紅一点。ある日彼女の親友ラファエルが事故を起こし、昏睡状態に陥ってしまう。 サーシャの雇い主でラファエルの兄マルコ・デ・セルバンテスは、 弟はサーシャに愛を拒まれたせいで自暴自棄になったと責め、 事故を彼女のせいにして、いきなり解雇を言い渡した。 サーシャがいくら弁明してもマルコは聞く耳を持たず、彼女をあばずれ扱い。 弟を失うかもしれないという恐怖に駆られ、 その元凶と決めつけたサーシャをどん底に陥れるようとするが……。


 サーシャは自分のおなかをそっと撫でた。医師は、すでに三カ月目に入っていると言っていた。マルコがこの事実をどうとらえるにせよ、彼にも知る権利がある。勇気をふるい起こし、電話のボタンを押した。

「はい?」低い声が応えた。

「マルコ、私よ」

 緊迫した沈黙があった。

「どうしても話したいことがあるの」

「僕はもうレース界からは手を引いたんだ。話しても時間の無駄だよ」次の瞬間、電話は切れていた。

「まったく、情のかけらもないんだから」サーシャは胸の痛みを感じつつ、子供が生まれても、ぜったいに会わせはしないと心に誓った。

 二日後、サーシャがキッチンにいるとき、聞き慣れたヘリコプターの音がし、外を見た。上空を横切ってくるのはまぎれもなくマルコのヘリコプターだ。 胸の鼓動を抑えつつ、買ってきた食材を片づけていると、数分後、ドアがノックされた。

 ドアの外に立つマルコの髪は、ひどく乱れていた。

「派手に登場してくれたおかげで、この先何十年もご近所の語りぐさになるわね。なんのご用?」

 はしばみ色の瞳がまっすぐにサーシャを見ている。

「中へ入れてくれないか?」

「情のかけらもない人は家に入れないことにしているの。さっさと飛んで帰って」

「僕はご近所にどう思われてもかまわないんだが、君は気にするんじゃないのか?青い髪のご婦人がこっちを見ているぞ」

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恋の数だけハッピーエンドがある

ハーレクイン・ロマンス

数々の恋愛小説を世に送り出し、女性たちに癒やしを届けてきたハーレクイン・ロマンス。なんと、これまでに出した全ての小説は必ずハッピーエンドを迎えるのだとか。今回はそんなハーレクインの日本上陸35周年を記念して、人気の35作品の見どころを...もっと読む

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