牛込の加寿子荘

牛込の加寿子荘」 第十回

築40年を超える「加寿子荘」での生活風景。能町みね子の自叙伝風小説! (『少年タケシ』2011年6月更新分より)

風と水分と気分が同じ波にのって、とてもいい調子の日が、このくらいの季節にときどきおとずれる。気分のよい仕事のうちあわせと、気分のよい髪切りと、気分のよい出会いと語りがあった帰りに、沈滞しているはずの梅雨の空気もいい湿り気になって、いいなあ、いいなあ、とただ言いつらねたい、それだけの日がある。


合い間合い間に、雑誌にのったわたしの虚像などを見る。書きものの仕事なども少々増え、インタビューを受けることすらいくつかあって、そんな記事はわたしの虚像です。最近わたしの虚像ががんばっているんです。えらそうに、ほんとえらそうになんかほざいているのは私の虚像だ。まあ、がんばりすぎるなよ。目指せふつうのオーエル。

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築40年を超える「加寿子荘」での生活風景。能町みね子の自叙伝風小説!

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