かみ合わない会議をなんとかしよう
どこに行っても会議の悩みは似たようなものです。
ひとつは「意見が出ない」という悩み。意見がバンバン出る会議にしたいものだ、と多くの人が日夜工夫を重ねておられると思います。
もうひとつは意見は出るのだが「議論がかみ合わない」という悩み。
長ったらしい発言でポイントがさっぱり分からない。
どんどん話がズレて、何を話していたのか分からなくなる。
今なぜその発言が出てくるのか分からず皆でキョトン。
そろそろ最終決定しなければならないのに見通しがつかず途方に暮れる。
下手すると、そもそも今日何を話すために集まったのか、皆はっきりと認識せぬまま会議が進行していくことすらあります。
厳しい経営環境の中、企業は少しでも利益を創出するために生産性の向上に血道を上げているはず。それなのに、多くの会議でこうやって時間がムダに使われています。
小気味よく会議を進め、常に時間通りに結論を出してみせる——とはいかないまでも、だらだらと2時間かかっている会議を1時間ぐらいに縮め、参加者にも「今日はわりとまともな話し合いができたな」と実感してもらえるようにする。それならば、私たち一人ひとりの努力で対処できます。
本書『ロジカル・ファシリテーション』は、議論がかみ合わない会議を改善するためのコツに焦点を当てて、解説していきたいと思います。